喪失感

※死ネタ、現代パロ


「ただいま」

玄関から部屋に向かってそう言ってから、おれは自分の馬鹿さ加減に気がついた。

「……」

おれはさっきまで、いつもその言葉に返事をしてくれていた友人の葬式に行ってたんだった。

式場でもらった塩を取り出して、おれはしばらく玄関に突っ立っていた。
その間考えたのは、キラーの死についてだった。

おれが知っていることは、ほとんどキラーの母親からの伝聞だ。
それによると、死因は年齢相応に事故だった。打ち所が悪かっただけらしく、見た目は随分ときれいなままだった。
猫を助けようとしたのだろうと事故を見ていたヤツが言っていたらしい。
おれはそれを聞いた時、あいつらしいなと思った。
何となく、キラーは何かの為に死ぬのがしっくりくるヤツだった。性格もあったが、それ以外の理由もある気がする。

相手方は性格の良さそうな男で、事故の時もできる限り適切な処置をとってくれたらしい。むしろ巻き込んでしまって申し訳ないと、キラーによく似た性格の母親は言っていた。
親子共々お人好しだった。それでおれは、そんなところが昔から好きだった。
「……報われねェな」
おれはそう呟いてから、塩の入った袋の封をきった。





前に何処かで言った葬式帰りのキッドネタ

現パロキッドは式場とかの人前では平然としてるように見えるけど、実際はかなり落ち込んで頭から離れないタイプ
原作キッドはおれが落ち込んでてもあいつは報われねェ!と立ち上がって進むタイプ、な気がする。ってか理想
キラーはどっちでも立ち上がれなくなるかな……忠犬タイプなイメージなんで




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