記憶喪失ネタ1
頭に包帯を巻いた状態でためらっているキラーを妄想してみよう。 http://shindanmaker.com/124702
以下妄想という名のss
Side:キッド
「とりあえず意識もしっかりしてるし、マスクを着けていたからか外傷の方は問題無いです。ただ、何でか切り傷があったんで包帯はしていますが」
戦闘中に頭を殴られ倒れたキラーについて船医からそういわれた時、安心したのと同時に、言い回しに違和感をもった。
「起きたんだよな?」
「はい。ただ、様子がおかしくて……」
キラーの所に行くと、ヒートと何か話していた。そこから聞こえた内容に、おれは思わず足を止めた。
「その、キッドの頭の事が思い出せないんだな?」
「ああ、船に乗った経緯も曖昧だ……もちろん、だからと言って降りる気はないんだが」
「身体の動きにも支障無いみたいだしな……まぁ、頭には言っておくよ」
「すまない……頼んだ」
「ああ」
会話を終えて、ヒートが部屋から出てきた。おれは、咄嗟に今来たかのように話を振った。
「何を話とくってんだ?」
「それが……詳しく聞いたら、キラーの記憶が所々無いみたいで」
「例えば?」
「大雑把に言えば、いつもマスク着けてた理由と、故郷の事と、後は……何でかわからないんだが……」
「……」
「頭の事を……船員に関しては名前とか役職とか全員覚えてんだけど」
さっきの話が聞き間違いでは無かったと突きつけられ、おれは軽く血の気が引いたような気分になった。
「一応船長の名前がキッドだって事は覚えてるんですがね……」
「……そうか」
ヒートとの話を切り上げておれはとりあえずキラーに会う事にした。医務室のベッドで身を起こしているキラーは、船医の説明通り頭に軽く包帯を巻いていた。
「よぉ」
「ああ、キッド……の頭?」
躊躇うような様子で、キラーがそう呼んできた。
「キッドでかまわねぇよ。前はそう呼んでたからな」
「ん……わかった。キッド、今回は……すまない」
うつむきながら、戸惑った様子でキラーが言う。どうやらかなり困っているようだった。
「よりによって、船長の事を忘れるなんて」
「……それは別に良いんだけどな」
船長と船員って関係だけなら、忘れられたらショックではあるが、立ち位置を覚えていればいずれ元に戻れるだろうから問題ない。だが、いまのこいつにおれたちの元の関係を言った所で信じないだろう。おれたちが恋人だったなんて。
「キッド……?」
黙り込んだおれをみてうろたえたらしく、キラーがためらいがちに声をかけてきた。おれは考え込んでいたことに気がつき、顔をあげて返した。
「大丈夫だ、気にすんな」
「本当にすまない……」
またうつむいてそう言うキラーをみて、おれは思わず、いつもするように背中を撫でた。
Side:キラー
ヒートと話していて気がついたのは、どうやら自分にとって意味合いは違えど特別重要な思い出を忘れているということだった。
故郷の事や、顔を隠し始めた理由、船に乗った動機を忘れていると言うなら、間違いなくそうだ。
そしてもう一つ、船長であるキッドの事も、出会いから、普段どう接していたかまで、完全に忘れていた。つまりそこにも、他の船員との付き合い以上に大切な思い出が含まれている筈だ。
そんな事を考えていたら、船長のキッドが部屋に入ってきた。
「よぉ」
「ああ、キッド……の頭?」
呼び方すら思い出せない自分が情けなくなってしまう。と同時に、そんな事まで忘れてしまうくらい大切な存在だったのだと胸が苦しくなった。
「キッドでかまわねぇよ。前はそう呼んでたからな」
「ん……わかった。キッド、今回は……すまない」
泣きそうになるのを堪えながら、おれはそう返した。
「よりによって、船長の事を忘れるなんて」
気持ちを悟られないようにそう言ったが、自分がキッドを“船長”と言ったことで更に気分が落ち込んだ。
「……それは別に良いんだけどな」
おれの言葉にそう返してから、キッドは黙りこんでしまった。時間にすれば数秒だが、その時間はとても耐えがたく、長く感じた。
「キッド……?」
思わず声をかけると、キッドはハッとしたように顔をあげた。
「大丈夫だ、気にすんな」
「本当にすまない……」
哀しそうなキッドの顔をみるのが辛くなりうつむくと、キッドはおれの背中を撫でた。
それがとても心地よくて、感覚だけはキッドの事を覚えているんだと、おれは少しだけ嬉しくなった。
裏設定
キラーを殴ったやつは記憶を消す能力者だよ。相手の大切な記憶を消すよ。
きっかけが有れば思い出すよ。
パッと見嫌がらせレベルだけど、本人にとってはどんな相手でも一回殴れば気絶させられるのが利点だよ。
傷は記憶を消すときに出来る目印だよ。
傷がある間は能力効かないけど、記憶が戻ると消えるよ。
そんなこんなで妄想〆
良いなと思った方は是非→
拍手
リストへ戻る
TOPへ戻る[ 7/37 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]