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【拍手にて掲示していたものです】
恋愛お題ったー( http://shindanmaker.com/28927)より
"「早朝の路地裏」で登場人物が「溺れる」、「ハンバーガー」という単語を使ったお話を考えて下さい"
ということでやってみました。
友達にしか見えないけど一応CPな現パロキドキラです。
◇◇◇
まだ薄暗さの残る路地裏に、赤髪の青年キッドが駆け込んだ。
そこで待っていたのは、金髪の青年、キラーだった。
今はバイトの休憩中。
二人きりで話すのを邪魔されないためには、人通りの無いこの裏口が最適だった。
「ハンバーガー、まだ朝のやつしかなかったけど構わねェか?」
言いながら、キッドがハンバーガーを差し出す。
「ああ」
ありがとう、と言いながら、キラーはハンバーガーを受け取った。
そして、ところで、とキラーは話を切り出した。
「今年こそ、海に行かないか?」
「海か……」
キッドが言葉を濁した。
「やっぱり嫌か?」
「……溺れるかもしれねェからな」
「なるほど」
キッドはいわゆるカナヅチだ。
波の立たないプールでなら一応泳げるが、一人にするのは危険だ。
ゆえに、海などもってのほかなのである。
「なら見に行くだけにしようか」
「そうだな、悪ィ」
「構わない。お前に危険が及ぶのは嫌だからな」
そう答えてから、キラーは包装を取り去ったハンバーガーを齧った。
キッドもハンバーガーを齧ろうとしていたが、キラーの言葉が気になり、口を付ける前に言った。
「……泳ぎてェの我慢してんなら言えよ。お前に我慢させんのは嫌だからな」
口の中の物を飲み込んでから、キラーが答える。
「泳ぐかどうかはどっちでもいいんだ、ただお前と海に行ければ」
「……そういやお前、なんでそんなに海行きてェんだ?」
キッドの質問に、キラーはペットボトルのお茶を一口飲んでから答えた。
「何となく行きたいんだ。お前と、海に」
「おれと、ってのは重要なのか?」
「そりゃあ、恋人だしな……ただ、そうじゃなくてもお前じゃないとダメな気がするんだ」
キラー自信、改めて訊かれて困っている様子だった。
それに気付いたキッドは、これ以上追及するのはやめることにした。
「まあいいか、とりあえず今週末に行こうぜ」
「ああ」
キラーの返事を聞いてから、キッドは買ってきたハンバーガーにようやく口を付けた。
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