キドキラ


キラーの何気ない仕草にムラッときたキッド PART2

※現パロ同居設定です


「今の時期ははコートを着るのに邪魔だし、夏は暑い。いい加減嫌になるな……」

 キラーは自分の髪についてそう愚痴った。
 愚痴られているキッドも、自分が切らないで欲しいと言っている手前「じゃあ切れよ」なんて言える筈も無いし、言うつもりも無かった。

「じゃあ結んでやろうか。少しはマシになんだろ」
「マシになればいいんだが」

 そう言いながら、ポケットからヘアゴムを取り出すキラーの行動に、キッドは自分の言動を悟られているような気分になった。
 だが、前にも似たようなやり取りをした事を思い出し、キラーからゴムを受け取りながら言った。

「キラー。お前、結んでほしいなら素直に言えよ」
「別にそう言うつもりは無いぞ」
「そうかよ……ったく」
「ただ、そういう気遣いがあると嬉しい」
「次回から一応気をつけとく」

 とはいったものの、キラー本人が不便だと思うより前にキッドがそれに気付くのは実際難しい。
 夏はさすがに気付いて言う事もあったが、コート着るときに邪魔というのは今年が初めてな気がキッドはしていた。

「位置は夏の時と同じでいいからな」
「おう」

 そんな会話をしながらキッドが髪を持ち上げてまとめると、キラーが軽く振り返って言った。

「もう少し上で頼む」
「この辺か」
「違う。このあたりだ」

 キラーはそう言いながら、キッドの手を軽く掴んで位置を直させようとした。
 その時キッドが突然手を離し、キラーの髪が解けそのまま背中に落ちた。
 キラーは文句を言おうと振り向いたが、キッドが赤面していたため、その気が失せた。

「……どうしたキッド、大丈夫か?」
「あぁ……わ、悪い。大丈夫だ」
「全く、仕方ないな……」

 キラーはそう呆れたように言いながら、自ら髪を持ち上げた。

「この辺りで結んでくれ」
「……」

 持ち上げられた髪。キッドの視線はその下のうなじにそそがれていた。
 先ほどは結ぶ位置に意識が行っていたが、一度目に入ってしまうと目が離せなかった。
 キッドはさっきから上がっていた心拍数がさらに上がるのを感じた。

「キッド?」

 それに何より後ろ手で髪を持ち上げる仕草がとても色っぽく見えた。
 そんな色々でキッドの心臓その他は限界が近かった。

「……おい、キラー」
「ん?」
「今日はやっぱ出かけるのナシ。明日にするぞ」
「え」

 キッドは突然の言葉に戸惑うキラーを抱え上げた。

「どうしたんだ、キッド」
「その、色々だ」
「色々って……ああ」

 キッドの向かおうとしている方向から、キラーは何かを察したようだった。

「最近シてなかったもんな」
「……悪ィ」
「構わない……ただ突然だし、挿れるのはナシだぞ……」
「おう」
「いい子だな」

 キラーはそう言ってから、キッドの首筋にキスをした。



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遅ればせながら10000HITの贈り物です。
裏には突入しなかったですがこの後突入するのでしょう。

あと個人的に
ちょっと年上の余裕あるキラーとか素敵だと思います。

良いなと思った方は是非→ 拍手

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