ドレキラ


※現代パロディ。ドレークとキラーは同居設定。


「キラー、ただいま」

 帰宅したドレークが、テレビを見ているキラーの背後から声をかけると、キラーは驚いたようにビクッと肩をすくめた。

「っ!?」
「……どうした、そんなに驚いて」
「あ、ああ……ドレークか」

 振り向いてドレークの姿を確認すると、キラーはほっとした様子でそう言った。

「他に誰だと思ったんだ?」
「誰、というか……あれ観てた」

 言いながらキラーが指差したテレビ画面には、なにやら怪奇映画が流れていた。

「なるほど」

 ドレークは納得したように言ってから、キラーの隣に腰掛け、キラーは、ドレークが隣に来たとたんに、頼るようにしてその腕にしがみついた。
 怖いなら一人で見なければいいのに、とドレークは苦笑した。

 そして、しばらく見てからドレークが言った。

「ああ、これなら観たことがある」
「そうなのか?」

 キラーがドレークに顔を向けながら訊いた。

「確か、最初に子供の幽霊が『鬼ごっこしよう』と言うや否や追いかけてきて、逃げ切れずに捕まったやつが『おに』になるとか……そんな話だろう?」
「ああ、うん、それだ」

 キラーが答えたとき、テレビから女の叫び声が聞こえた。
 二人が画面を見ると、丁度『おに』となり異形と化した男が女を捕まえた場面だった。

「っ……!」

 キラーが画面から目を逸らし、ドレークの腕をさらに強く掴む。
 ドレークは、そんなキラーの頭をよしよしと撫でつつ、ちょっとした悪戯を考えていた。




 映画を見終え、夕食を食べた後、キラーはドレークに言った。

「……あの、ドレーク……今日一緒に寝てくれないか……?」
「……構わないが、何故だ?」
「…………怖い」

 半泣きになって言うキラーの姿は、先ほど芽生えたドレークの悪戯心を十分にくすぐった。

「わかった。なら先に寝室で待っていてくれ」
「ああ」

 キラーが素直に寝室に入るのを確認した後、ドレークは扉の裏に隠れ、軽く叫び声を上げた。

「ドレーク……!?」

 案の定キラーは寝室から出てきた。
 そして、ドレークの姿を探して、洗面所へと、周りを伺いながら向かった。

 ドレークは、その背後にこっそり近づくと、

「捕まえた」

 と、言ってキラーを背後から捕まえるように抱き締めた。

「ひッ……!」

 キラーは小さく叫び声をあげると、ドレークも予想していなかったのだが、そのまま気絶してしまった。

「……怖がり過ぎだろう、これは」

 ドレークは、気を失ったキラーを一度床に降ろし、抱き上げた。

「(悪いことをしたな)」

 ドレークは、抱き上げたキラーの額に謝罪の意を込めながらキスをした後、寝室まで彼を運んだ。


怖がり屋


「いくら何でも、酷い」
「……悪かった」

 朝起きてから、ドレークがキラーに怒られたのは言うまでもない。


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テーマ募集にてご提案いただきました。
『テーマ:鬼ごっこ/ドレキラ』です。

一瞬浜辺で追いかけっこしてるドレキラ想像しましたが、やめときました。
もう一つ考えたのは、かなり殺伐としてたので自重。

良いなと思った方は是非→ 拍手

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