キドキラ
※年齢設定がだいぶ曖昧な現パロです。たぶん春休み中の大学生。
「……なぁ、キラー」
「なんだ、キッド」
「日光浴ってのは普通昼間にやるもんじゃねェのか」
今の時刻は、陽がだいぶ傾いた午後四時ごろ。
いくら広い公園の中とはいえ、あまり日光浴に適した時間帯とは思えない。
「仕方ないだろう、昼間やろうと思ったらお前が家で昼寝していたんだから」
「そりゃそうだが……」
日光浴は、高校のころから続くキラーの日課なのだが、なぜか最初からキッドを誘って行っている。
そもそも誘おうと思った理由をキッドは知らないが、あまりわがままを言わないキラーの数少ない要望だから、と考え、ずっと付き合っていた。
「あと何時間で帰るんだ?」
「今の時期なら五時半くらいだな……多分」
少し肌寒さが解消されてきたが、まだ暖かいともいえないそんな気候の中、このまま外に居るのは辛いな、とキッドは思ったが、自分が寝ていたのが悪いため、口には出さないでおいた。
しばらくして、陽が落ちてきて、あたりが陽の赤に包まれた頃、キッドがつぶやいた。
「……何で太陽は夕方になると赤くなるんだろうな」
キッドのつぶやきに、キラーが首をかしげながら答える。
「屈折がどうとか……前、誰かにに聞いたが、よくわからなかった」
「そうか」
誰かってのは多分教師だろうな、とキッドは思った。
キッドは授業をまじめに聞かないタイプだったため、確信はなかったが。
陽が沈み切る前に、二人は家に帰ることにした。
とはいえ、家が隣同士なので、帰り道はほぼ同じだったが。
「キッド、明日はちゃんと起きててくれよ」
「おう、なんとか頑張るぜ」
高校生の頃から似たような会話は数度あった。
昼休みに外で日光浴をする予定が、キッドの居眠りやら遅刻やらで達成できない事がよくあったのだ。
キッドの居眠りや遅刻の理由は、昔も今も、バイトが原因だった。
「本当に、明日来なかったら、もう誘わないからな」
そう言ってキラーが拗ねるのも、慣れ親しんだやり取りで、とりあえずこの宣言が出た次の日は、ちゃんと行こうとキッドは決めていた。
これで行かなかったら、次回多分キラーが誘いづらいだろうし、本当に誘われなくなっても、それはそれで寂しいからだ。
「わかった、明日は絶対昼に行ってやるよ」
「言ったからには、約束だぞ」
そう言って立ち止ると、キラーが小指を立てて手をキッドの方へ出してきた。
キッドもそれに応えて自分の小指を絡め、なにも言わずに軽く指切りをした。
「じゃあ、また明日な」
キラーの言葉にキッドが周りを見れば、ちょうどキラーの自宅の前に着いていた。
いつもの約束
「なぁ、いっそ明日は起こしに来いよ」
「起こすと不機嫌になるんだよな……お前」
でも頑張ってみる、と言って、キラーは自宅の門を開けて中に入って行ってしまった。
キッドは、隣の自宅に向かいながら、おれってそんなに寝起き悪かったかな、と考えていた。
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テーマ募集にて、ご提案いただきました。
『テーマ:日光浴/キドキラ』です。
海賊な2人が日光浴している図が思い浮かばず現パロになりました。
キラー単体なら容易に妄想で来たのですが、キャプテンなキッドが日光浴する図が思い浮かばず……このようなことに。
良いなと思った方は是非→ 拍手
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