015
「これで終わりか……」
合格者を引きつれて、船着き場に着いた船へ乗り込んだ後、ドレークはため息まじりにそう言った。
「……先生」
「ん? なんだ、キラー君」
「何で……何で、こんな事……」
キラーは、泣きだしそうな声でそれだけ言った。
「簡単に言えば……手を煩わす生徒を減らすためだ」
ただ、それだけ。
だが、ただ退学させるだけでは生ぬるいと、サカズキが言った事が、今回の発端だった。
「はじめは、塔へたどり着いた生徒のみ……という事になっていた」
「……」
「だが、さすがにそれでは厳しい、と言うことでな、こちらで基準を設ける事にしたんだ」
ドレークの言葉に、ローが質問をした。
「基準は?」
「学業成績、殺人数、殺人状況……などだ」
例えば、とドレークは切り出した。
「キラー君のように、背後から突然声をかけられた拍子に……というのは、一般的な行動として、有り得ない事ではない」
「だから、同情の余地は十分ある……それ以外は殺していないようだし、問題はない」
問題はない、という言葉を聞いたキラーは、小さな声で、違う、と言ったが、ドレークは何も答えなかった。
「まあ、とにかく、君達は無事に帰れる。それだけは確かだ」
ドレークは、それ以上話す事はないと言いたげに、腕を組んでうつむいた。
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