011


 カードがあった場所に行くと、丁度バジル屋達が来ていた。

「よぉ……バジル屋」

 そう声をかけたが、真っ先に対応したのはルフィ屋だった。

「ロー! 無事だったのかぁ!」
「ああ、おかげさまでな」

 キラー屋は、やはり後ろめたさがあるらしく、おれの背後で黙ったままだった。

「……それで、カード探してるんだろ?」
「ああ。持っているんだな?」

 バジル屋の質問に頷きながら、おれはカードを差し出した。

「これで揃った?」
「5……か、つまり……」

 バジル屋が地図に番号を書き込む。

『1765629』

「これで、完成……のはずだ」

 七桁。
 予想上では、これで全て揃ったことになる。

「それで、行くのか? バジル屋」
「ああ、お前達にも死相は見えないからな」
「そりゃあどうも」

 ある意味、一番頼りがいのある言葉だ。
 と、その時、キラー屋が声をかけて来た。

「ロー……」
「ん? どうした、キラー屋」
「もし、無事に終わったら、帰らなきゃだめだろうか……」

 辛そうなキラー屋に、おれは、大丈夫だ、と言ってやった。

「誰にもバレない。もしバレたら、おれの家で匿ってあげる」

 小言で、バジル屋達に聞こえないように、泣きそうなキラー屋を宥めた。

 キラー屋が、一刻も早くユースタス屋を追いかけたい、と思っていることも、その癖にそんな勇気を持っていないことも、おれは知ってる。

「だからキラー屋……今は耐えなよ」

 おれは、キラー屋が落ち着いたのを確認すると、バジル屋に向き直った。

「じゃあ、行こうか?」
「ああ」

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