008


 おそらくこれは、選ぶためのゲームだ。

 サンジがその事に気がついたのは、このゲームのクリア条件を聞いた直後だった。

「これは……必要のない殺人をした時点で、負けなんだ」
「どういうことだよ?」

 ボニーの質問に、サンジが答える。

「そのままだよ、ボニーちゃん。じゃなきゃ、もう一つの条件なんて出すはずがない」

 これは、あらゆる意味の社会不適合者を淘汰するための試験ではないか、とサンジは予想したのだ。

「おれらは多分、監視されてる」
「なるほどな……じゃあ、これからどうすんだ?」

 ボニーは、手元の警棒を試し振りしながらそう訊いた。

「とりあえず……ルフィを探す」

 サンジは、手斧をカバンに仕舞ながら答えた。

「いいけど、検討くらいはついてんの?」
「……」

 サンジが一瞬沈黙した直後、遠くの方からルフィの声がした。

『サーンージー! 生きてるかー!?』

「あっちだ、行こう、ボニーちゃん」
「おう」



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