005


 草むらからがさがさと音がして、ルフィは一瞬身構えた。
 だが、それが親友だと気が付いたとたん、すぐに警戒を解いた。

「ゾロ!」
「ルフィ……! 無事か?」
「おう!」

 そう返事をして笑ったルフィの顔は、陰惨なイベントの起こる島に似つかわしい物ではなかった。

「そうか……。そういやルフィ、お前の武器何だったんだ?」
「おれのか? まだ見てねーや」

 そう言ってバッグの中を漁るルフィからは、緊張感が微塵も感じられない。

「お、あったあった。コレだな」

 そう言って取り出したのは、なかなかに良いものだった。

「お、刀か」
「え、お前、使えんのか?」
「おう。一応な」

 それもそのはず。
 ゾロの父親は剣士であり、実家で剣道を教えている。
 その関係で、ゾロも数回は刀を扱ったことがあるのだ。

「じゃ、頼りになるなあ!」
「お前な……自衛くらいしろよ」

 ゾロの言葉に、ルフィは、まかせとけ!、と返事をした。

「お前置いて逃げたりはしねーからよ」
「ああ、死ぬときゃ一緒だ」

 そう言ってから、二人はある場所へ向かって、歩いて行った。

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