001
――やるしかないんだ。
手に持った武器は、サバイバルナイフ。
至近距離に近づいて、動脈を狙えば、なんとかなる。
背後から、誰かが近づいてくる気配。
敵か味方かなんて考えない。
ここでは、全て、皆、敵だ。
「キ……」
相手が言葉を発する前に、おれは顔も確認せずに、その首へナイフを突き刺した。
ナイフはうまい具合に動脈を切断したらしく、相手は首から血を流して倒れた。
そこでようやく、おれは相手を確認した。
「……あ……」
おれが殺した相手は、キッドだった。
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