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 そんなに悲しそうな顔をしないでくれ。

 おれは、ただ、海軍という組織から逃げたかっただけで、お前から離れたかったわけじゃないんだ。

 それにお前ならば、悲しむより先に怒るだろうと、おれを見損ない敵とみなすだろうと、そう思っていたんだ。

「やめるつもりは、ないのか?」

 その言葉に、一瞬心がゆらいだ。
 今ならまだ何も実害を出していないから、海軍に戻るのは無理でも一般市民にくらいは戻れる、と。

 だが、それはできないんだ。

「……やめるつもりは、ない」

 ためらいながら発した言葉は、果たしてお前にどう届いたんだろうか。

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