006
綺麗な身体だ、とドレークは思った。
全体的に細身な印象を受ける身体は、それでいて、適度に鍛えられていた。
ドレークがじっと見つめていると、キラーは照れたようにうつむきながら、言った。
「……あまり、まじまじと見ないでくれ」
「ああ、すまない」
いいながらも、ドレークは視線を外すことなく、キラーの身体に触れた。
首すじから、胸元へと、きれいな肌の上に指先を滑らせる。
そのまま、胸元に手をあて、ドレークはキラーの鼓動を確かめた。
そして、心臓が激しく脈打つのを確かめた後、ドレークはキラーに言った。
「スキンシップも悪くはない……が、おれは出来ることなら、言葉に出して伝えたいんだ」
ドレークは胸元に当てた手を移動させ、キラーの背に回すと、そのまま彼を抱きしめた。
緊張のせいか、少し身体を固くしたキラーの耳元に、ドレークは口を寄せ、愛している、と囁いた。
「……っ」
キラーは照れ隠しなのか、ドレークの腕から抜け出そうとした。
ドレークも、それに従い腕をゆるめる。
うつむいたまま、ドレークの方を見ようとしないキラーだったが、しばらくして口をひ開いた。
「……ドレーク……」
「なんだ?」
キラーが、ためらいがちに、赤く染まった顔を上げて、言った。
「おれも……お前のことを……」
だんだん、声が小さくなって、最後は聞こえづらかったが、近くにいたドレークにはしっかり、あいしてるからな、と言ったのが聞こえた。
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