001
愛情というものが、相手を慈しむことを示すなら、おれが殺戮屋に与えるものは、愛情とは程遠いものだった。
相手が自分を嫌っているのをわかった上で、おれは殺戮屋を自分のモノにするため、自由を奪った。
逃げられないように、両脚を切って、おれを拒絶できないように、口をふさいで、両腕を縛って、睨み付けられることすらないように、目を覆った。
本当は、首も動かせないようにしたかったが、それは難しかったから、諦めた。
「なあ……殺戮屋」
おれが言葉を発しても、顔を上げることすらしないのは、反抗か、それとも気力がないのか。
「お前が心からおれのモノになったら、それ全部外してやるよ」
脚は、念のため戻さないでおくけど。
「だから……」
殺戮屋のシャツを肌蹴させ、その首筋に、軽く噛み痕を残す。
首筋に噛み付かれた殺戮屋は、驚いたように、小さく身体を震わせた。
「早く屈したらどうだ?」
おれの言葉に、殺戮屋は首を振って拒絶の意を示す。
「そうか……残念」
まあ、仕方ない。
まだ拘束しただけだし、多分おれの目的も、ほとんど理解していないだろう。
だから、教えてやろうと思う。
おれの本気と、目的を。
おれは、何をされるのかわかっていない殺戮屋を、そっと床の上に押し倒した。
「じゃあ、はじめようか」
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