-Real Time-
【本番は15日なキドキラ】
2014/02/15 00:49
バレンタインはスルーして15日のセールに賭けるキドキラの話。
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「もうすぐ14日が終わるな、キッド」
「おう。いよいよだな」
「そうだ、明日が本番だ」
2月15日。
バレンタインが終わり、近所のスーパーで哀れにも売れ残ったチョコが投げ売りされる日である。
甘党のキラーと、それなりに甘いものが好きなキッドにとってはバレンタインよりも重要な日である。
「ライバルも割といるが頑張ろう」
「おうよ」
付き合ってはいるが、お互い手作りする柄でもない。だから、わざわざ高いチョコを贈り合うのではなく、一緒に安売りのチョコを選んだほうが楽しいし経済的にも良い。
「今年も変わり種が余ってたからな」
「あれな、包装が面白れェやつ」
「それだ。あれ買いたい」
キラーは毎年、薬品パロディ系やらのバラエティチョコを好んで買う。普通のチョコも好きだが、せっかくなのでイベント感が欲しいのだ。
「おれはオーソドックスなので良い」
「そうだな……それなら、トリュフと生チョコが余ってたと思う」
キッドは対象的に、安全圏を選ぶ。
普段はキッドの方が冒険心の高いタイプなのだが、食べものが絡むとキラーの方がチャレンジャーだ。
例えば、土産の変わり種キャラメルがあれば、キラーはジンギスカンキャラメルを、キッドは夕張メロンキャラメルを買うタイプだ。
「とりあえず作戦立てるか」
「ああ。まず、セールコーナーの強敵はやはり主婦だ」
「百戦錬磨だからな……」
「あの人たちの好みからして、おれが求めるものは最後まで余ってるだろう」
「なるほど」
この地域の主婦の傾向として、バラエティチョコにはあまり手を出さない。16日を過ぎても残っていることはザラだ。
逆に、トリュフや生チョコは16日まで余ってるいたら奇跡というほどハケが良い。
「男は敵じゃない。人数も少ないし、控えめなタイプが多いからな」
「おう」
「女子に関しては、可愛いデザインのチョコに手を出すタイプがこの地域には多い。ハート型とか、ベアー型とかな」
「あー、わかるなソレ」
キッドが同意すると、キラーは言葉を続けた。
「つまりだ。バラエティチョコは昨日の売れ残り具合からして今年も余裕がある……が、オーソドックス系は難関だ」
「となると優先順位はオーソドックス系が高い……ってことか」
「そうだ。だから、まずはそっちを買いに行く」
「わかった」
キラーの作戦に、キッドはそう言って首を縦に振った。
「今年も上手く行きそうだな」
「おう」
作戦内容は去年とほぼ同じだが、こうやって話すのが楽しいから問題なかった。
「それじゃ、明日に備えて寝よう」
「7時起きだな」
「ああ」
そう言葉を交わして、二人はベッドに入った。
「寒いからもっと寄れよ」
「ん? ああ、そうだな」
キッドに促され、キラーはキッドの腕に身体をおさめた。
「じゃあおやすみ、キッド」
「おやすみ」
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チョコはなくても甘々な二人を目指した結果がこれだよ。
勢いで書いた物ゆえ誤字などあってもスルーお願いします。
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