-Real Time-


【キラーのマスク】

2012/11/14 18:59


キラーが頑なにマスクをつけ続ける理由を考えてみてたら
なんか情けない理由を思い付いたんでメモ的な


〜どこかの酒場〜

キラー「おれがマスクを着けている理由、知りたいか?」

殺戮武人は突然そう言い出した
こういう風に言うやつは、大抵言いたいに決まっている
おれは機嫌を損ねないよう聞き手に回ることにした

ペンギン「そりゃあ、まあ……」
キラー「……あれはおれが19くらいの時だった」

そう言って語り始めたのは、こいつが昔付き合った女の子に別れ話を切り出された時の事だった

〜回想〜

彼女「私たちさ、別れない?」
キラー「えっ」
彼女「何か思ってたのと違うんだよね」
キラー「……どう違ったんだよ」
彼女「甘やかしてくれそうな見た目だから付き合ってみたけど、そうでもないし」
彼女「無駄に世話焼かれて……お母さんといるみたいっていうか」
キラー「……」
彼女「なんか、ドキドキしない」
彼女「顔と性格合わなすぎでしょ。マジないわ」

〜回想終了〜

キラー「酷く傷ついたおれは故郷を離れて……」
ペンギン「メンタル弱っ!」
キラー「……」
ペンギン「あ、サーセン……それで?」
キラー「それで、他にも似たような事があってな」

〜回想〜

ある島では海賊に……
海賊「弱そうな面だぜ!やっちまえ」

ある島では店のおばちゃんに……
おばちゃん「あんたなんか頼りなさげだけど、一人旅してて大丈夫なのかい?」

ある島ではまた海賊に……
というかキッドに……

キッド「お前強いけど、なんかインパクトにかける顔だよな」

〜回想終了〜

キラー「色々あって心が折れた」
ペンギン「……」
キラー「そしたらキッドがマスクを買ってきた」

〜回想〜

キッド「キラー、お前これ被れよ」
キラー「……」カポッ
キラー「どうした、これ……」
キッド「インパクト欲しいからな」
キッド「とりあえず一人の時以外は着けてろよ」
キラー「ああ……うん、そうだな」

〜回想終了〜

キラー「というわけでマスクなんだ」

ペンギン「いやいや!少しは不便さを考慮しろよ!」
キラー「でもいいことも有ったぞ」
ペンギン「何?てか不便なのは否定しないのな……」
キラー「思ってたのと違うとか弱そうとか言われなくなった」
ペンギン「……」
それは多分、手配書の金額とか、そういうのが原因じゃなかろうか
いや、インパクト無いってくらいだからまさかそれより前は賞金首だと気付かれなかったのか
キラー「だからキッドには感謝してる」
ペンギン「その結論絶対おかしいだろ!」
キラー「そうは言っても他にどうしようも……」
ペンギン「いやあるだろ、身体鍛えるとか、髭生やしてワイルドさ演出するとか」
キラー「!」
ペンギン「思いもよらなかったのかよ!」

〜二年後ちょっと前くらい〜

ペンギン「あ、あいつの手配書だ」
ペンギン「(へー、あの後ちゃんと鍛えたのか。髭も生やして強そうな見た目になったな)」
ペンギン「(あの時アドバイスしたのが役に立ったみたいで良かっ……)」
そこまで考えて、おれは気付いた

ペンギン「結局マスクは外さないのかよ!!」


【終】

なんかやらかしても「しょうがないなぁ」って言ってくれそうな見た目なのに
実際付き合ってみたら中身があまりにもオカンで振られた

「弱そうなヤツだ、やっちまえ」と海賊に喧嘩売られて倒した辺りで
偶然やってきたキッドに勧誘された

海賊狩りとかではなかったし、強いと言ってもらえて嬉しかったので承諾したら
キッドに「インパクト無い」と言われてハートブレイク

身体鍛えて髭生やしたけど一回マスクとったらキッドに「強そうにはなったけど、それでもインパクト無い」と言われた模様

そしていまに至る

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