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追いかける

私がホグワーツ在学中に付き合っていた彼、チャーリー・ウィーズリーは卒業するやいなやさっさと外国へ行ってしまった。
だからなんだと言われたらそこまでなんだけれど、4年間付き合っていた彼女に何も告げずに国外へ行くほど大切なことなのだろうか。ドラゴンというのは。

普段からドラゴンは素晴らしいだのかっこいいだの素敵だの言っていて、大好きだーと叫んでいた彼は、職が決まったときには泣く勢いで喜んでいた。私にはなにがそんなに素晴らしいのかわからなかったけれど。
在学最後の年にもクィディッチを捨ててまで海を渡り中国の火の玉?とか言うドラゴンを見に行っていた気がする。

なぜはっきりしないのかと言うと、彼のドラゴンを求めて回る旅行についていかなかったからだ。

ドラゴンと私が並べば必ずドラゴンを取る。そういう人だと知っていたし、そんな彼の一途?なところに惹かれて付き合っていたのだけど。
(実際彼はドラゴン病さえなければ私をとても大切にしてくれていた。……はず)

ドラゴンに対してあれだけ愛を叫んでいたのに、私にたいして愛しているとはっきり言ってくれたことは一度もない。告白も私の方からだったし、返事も「俺も」というものだった。

結局いつも恥ずかしいとかなんとか言いながらはぐらかされてばかり。
照れ屋なんだろうけれど不安になるこっちの身にもなってほしい。
おかげでどれだけ一人きりの誕生日やクリスマスを過ごしてきたことか。

話を戻すと、何処かに行くと必ずチャーリーはそこからマグルの"絵葉書"と手紙を送ってくる。
内容は、
いかにその地のドラゴンが素晴らしいかについてが大体6割で、今どこにいてこれからどこに行くのかが大体3割。残りの1割に無理矢理押し込んだように私に対する手紙と呼べるものが書いてある。
大抵2.5mくらいのそれは一応大切に保管してあるのだけれど、彼女宛の手紙というよりもドラゴン図鑑といった方が正しい。


毎回ドラゴンと旅行先がしっかりと、

……書いてある?

………ということは。

つまり、なに?私に追いかけてきて欲しいわけ?
だからあえて旅行スケジュールをきっちりしっかり送ってくると。どれだけ愛されているか知りたいと。
いいよ。じゃあ追いかけていってやるわよ。私をここまで夢中にさせたんだから、ちゃんと責任とってよ?


追いかける
(ちょっとチャーリー、)
(あんた何様のつもり?)

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