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本当はずっと好きだった
あれからもう二年

イオン様がドアの向こうに消えて、アリエッタが導師守護者から、外されて。

…私の生活から色が消えてから。

「イオン様」の顔を見るたびに重なる面影。

…重ねずにはいられない。でもどうして、気づいてしまったんだろう…

「イオン様」がイオン様ではないと言うことに。それならばいっそ、

気付かなければ…

「゙気付かなければ良かっだ、ですか?」

いつからそこにいたのか「イオン様」が私を覗きこんでいる。

ーどうしてわかったんですか?

そういう視線を送ってみる。

「花のことなら僕はなんでもわかるんです。」

そんな言葉が聞きたいんじゃない。

言うことは同じなのに、

表情も同じなのに、

やっぱりイオン様じゃない。

「どうしてなんですか。」

ーどうして私に優しくするの

そう私が問えば、眉間にしわをよせて決まって「すみません」と言う。

何について謝ってるの?しょうがないでしょ?「イオン様」もイオン様も悪く無いのに。

そのまま去っていこうとする「イオン様」に後ろから抱きつく。

自分でもなぜこんなことをしたのか、わからなかった。…いや、わかってる。

驚いた様に息を呑んだのが伝わってきた。

「大丈夫ですか?」

消えてしまいそうだった。

「好きです、"イオン様"」

抱きついたまま「イオン様」の背中に顔を埋めて言う。
そうすると決まって「イオン様」は…

「ありがとうございます」

少し寂しそうな声で言う。やっぱり誤解してる。私は今の「イオン様」が好きなのに。

「イオン様」…

貴方に届かないのなら、届くまで言うよ…

「好きです、"イオン様"」


本当はずっと好きだった
(はやくこの気持ちに気づいて)
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