電車男の憂鬱(2) 「ナマエ様!!それは間違いでございます!」 そういきなり叫ばれ、僕とナマエは後ろを振り向く。 何で黒い方のボスがここにいるんだ。と口に出ていたらしく、目の前のボスは淡々と話し始めた。 「わたくし、ですか?ナマエ様の話している内容が気になったものですから・・・。」 盗み聞きをしてしまいました。と少し申し訳なさそうにそう言われる。(このぐらいあの人も・・・いや、何でもないさ。) 「あの、で、何が違ったんでしょうか・・・?」 そうだ、その事でボスは来ているのだ。そう思いだして、僕はボスの方を見る。 「ああ、そうでした。先程の『電車男』の件なのでございますが。」 「・・・ナマエ・・・ナマエがあんな事言うからさ。」 きっと軽くだが、怒られるのだろう。そう思って、ナマエにそう呟いた。 「ラムセスは『ぽっぽー』と言って、走り去ったり致しません。」 「そうなのさ、ナマエ。」 流石ボス。ちゃんと分かっている。そう思って、軽く頷いた。 「この方は駅員として、そこに留まってくれます。」 「え?ボス?」 なんだか少し雲行きが怪しくなってきた気がするのさ。不安げにボスの方を見ると、その顔は嫌なくらい自信満々で。 「しかも、ナマエ様。地下鉄は『ぽっぽー』とは走りません!」 ラムセスなら、地下鉄の列車を完璧に実現させるので、その様な言葉は言いません!!と高らかに断言した。 「・・・・・・・。」 「・・・・・・・・・・・。」 「・・・・・・・・・・・・・あ、成る程。」 言われてみればそうですね。と納得している(するな)ナマエと、満足そうに頷くボス。 本当、一体なんなのさ・・・。と小さく呟いた。 暴走列車はまだまだ走る 「・・・あの、ボス。僕のこと、何だと思ってるんですか?」 「・・・・・・。」 「・・・・・・。」 しばらく無言の後、『さて、仕事に戻らなくては。』と呟いて、逃げられた。 ・・・一体なんなのさ! back |