ショート | ナノ
電車男の憂鬱(1)


「ラムセスさんラムセスさん。」
ベンチで座っていたナマエの隣に座って良いかと聞いて、座ってみたものの会話もなく。
しかも横に座っていたナマエはと言うと、何処からか取り出した弁当をもそもそ食べ始めていて。
僕は何しに来たのさ。と自問自答しかかっていたときに、話しかけられる。
「・・・何さナマエ。」
「私、ラムセスさんがたまに心配になるんです。」
「それってどういう時なのさ。」
「ラムセスさんが挑戦者と戦っているとき、整備のために同じ車両にいたりすると。」
「・・・・・・。」
多分これは・・・電車を壊し過ぎなんだよ、ごらぁ。って、遠回しに言っているだけなのさ。
苦情は、ちゃんとスパンと言わないと分かりにくいのさ。(例えば白い方のサブウェイマスターとかに言うときとか・・・。)
そう言おうとしたら、彼女に先に言葉を奪われてしまう。

「『僕は電車さ 決められたレールの上を ただ走るのさ』って言うじゃないですか。」
「は?・・・まぁ、そう言ってるのさ。」
「だから、今度また同じ列車に乗ったとき、『・・・・・・・・・・。』って無言を貫かれて勝負始めたりとか。」
それって何て言う黄色い悪魔を連れた男だ。
「また乗車したときは『ガタンゴトン ガタンゴトン』って言って始めたりとか。」
「えっとナマエ?」
「挙げ句の果てに負けたときには『ぽっぽー!!』とか言って走り去ったりとか!」
考えただけで恐ろしいです!!!!と箸を持ったまま、そう力説されてしまう。
僕はぽかんとしていたが、ハッと我に返ってナマエに尋ねた。
「それが、心配事?」
「はい、そうですね。」

真面目に言って。
「君、僕のこと何だと思ってるのさ。」
一体どうしてこうなったのさ!!!


暴走列車は止まらない


「ラムセスさんはラムセスさんですよ。・・・でも、世の中には【電車男】って言葉あるじゃないですか。」
「確かにその言葉はあるさ。」
「・・・ラムセスさんは正真正銘の【電車男】なりそうだなと「よし、ナマエ。黙ろうか。」

そう言えば、どうして僕はここに来たのだろう。と、ナマエの頬を伸ばしながらそう思った。

(いひゃい、いったいですよ!!ちょっ・・・らむせすさんストップ!)
(ナマエが変なこと言うからさ。)
(だって、ラムセスさん駅員だし・・・。)
(ナマエ・・・君だってここの整備士なのさ。一緒さ。)
(だって私ここでバトルしてないし、廃人じゃないし・・・。)
(・・・・・・・ナマエはもっとほっぺを引っ張って欲しいみたいなのさ。)
(え、ちょ、ちが・・・あぁぁああぁぁぁぁあぁ!!!!!)



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