届け、愛のメッセージ 体を動かした後は同じ温度でも、涼しく感じられる。風通しの良い縁側に寝ころんでそう思っていると、上から声がした。 上を見ると女中さんがいて、お茶と手ぬぐいをくれた。(私もこういう気を配れる人になりたい。) そんな暑い日の風景。 「体を動かした後は、水分を摂らないといけませんよ。」 そう言われ、すみません。と呟いてお茶を飲む。すると、冷たいお茶が体に染み込んでいくのが分かる。そうして水分を摂ることに夢中になっていると、ふと、女中さんがわたしのとは別の手ぬぐいとお茶を持っていた。 「あれ?それ・・・もしかして、私のお代わり分?」 「・・・名前様・・・真田様のです。」 と言われ、幸村も体を動かしているのか、と知った。(どうせ、親方様と殴り合いでもしてるんだろう。) 「では、真田様にお茶を持っていきますね。」 名前様、失礼します。そう言って去っていった後、城内に「破廉恥ー!!」と言う叫び声が聞こえた。 「・・・またか。またなのか。あいつは何時になったら慣れるんだ!」 少し痛い耳を押さえながら、呟く。 「ま、名前ちゃん。そうカリカリすんなって。旦那のあれは今に始まった事じゃないんだし?」 そう言って、どこからか現れる迷彩服な奴を睨む。 「佐助・・・お前、幸村のおかんなんだから。なんでちゃんと躾なかったんだ。」 「・・・名前ちゃん?俺様、旦那の母親になった記憶なんて無いんだけど?」 「でも、世話しているのお前だろ。・・・・・・あぁ、もういい。私が直々に成敗してくれる。」 そう言って、縁側から立ち上がり、叫び声のした方に進んでいった。後ろで、「ちょ、名前!成敗ってどういうこと!?」とか言っていたが、気にしない。(佐助がちゃんと躾なかったからいけないんだ。) 「幸村ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 嗚呼、なんて勇ましい私の声。私はおしとやかなのに・・・どうして武田の人たちは私を勇ましくしたいのだろう? そう思いながら、顔を真っ赤にしている幸村に取りあえず。 「成敗!!」 蹴りを食らわせといた。殴るよりも、蹴る方が得意なんだよね。うん。ついでに蹴ったとき、蛙を踏みつぶしたような声がしたけど・・・気にしない。そう思いながら、うつぶせになっている幸村を見ていた。 すると3秒もしない間に奴は復活し、話し始めた。(復活が早いな、おい!) 「名前殿ぉ!?何をするのでござるか!!」 「あー・・・。だってうるさいから、」 にこやかに笑ってそう言うと、幸村は「う・・・うるさい?」とキョトンとしている。だから、こういう天然さんは苦手なんだよ。気づいてないんだもん。 「あのさぁ、もう少し女の人に慣れろ!!」 「そっ・・・某は、そのような破廉恥な事は・・・。」 「あのさぁ、女の人と話すだけで破廉恥なんて、一体君は何を想像しているんだ?」 本当に、慣れて欲しいね。奥さんになった人が可哀想だ。と呟くと。 「・・・名前・・・殿。」 と。どもりながら、私の名を呼ぶ。 「ん?どうかしたか、幸村。」 「某・・・そっ某・・・は。名前殿!!」 「うぇ!?・・・あ、はい。」 いつになく真剣なので、私はそこから動けなくなってしまう。そして、幸村は意を決したように口を開いた。 「某、名前殿のことがs「名前!!名前はおらんか!!」 と、親方様に呼ばれたので。 「あ、はい!今行きますよー親方サマー。」 そう私は言って、なんか、口をパクパクさせていた幸村をちらりと見て、親方様の方へと走った。 「親方様、来ましたよ。何か用でも?」 「ん?・・・名前。今日は天気がいいな。」 「?・・・はぁ。」 最大の敵現わる!! (何故です親方様ぁぁあぁぁ!!!) (まぁ、名前ちゃんの事、娘のように可愛がってるからなぁ・・・。まぁ、頑張ってよ旦那。) (あ・・・・・・・・・そう言えば、幸村、何が言いたかったんだろう?) back |