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せんせー!



「で、ここの問題はこの公式を使って・・・。」

そう言って、黒板に白い文字で書いていく先生。
・・・そんな公式在ったっけ?むしろ、こんな公式何で作ってしまったんだろう。次第におりてくる瞼と格闘しながら、そう悪態を付いてみる。そんな事をしているうちに、どんどん黒板が整った白で埋め尽くされていく。それに比例して、私のノートはミミズばった黒で埋め尽くされていく。もう駄目だ、眠い。そう思ったときだった。

「・・・それで、ここで親方様が・・・・・・・なされたのだ!」

どこかから聞こえてくる在る先生の声で、私は一気に覚醒した。 真田先生だ。嗚呼、またやってるんだ武田先生談義。あの人も好きだなぁ、武田先生。そう思ってニヤニヤしていると、竹中先生に「どうかしたのかい?」と聞かれてしまう。

「あー・・・いえ、このページに載ってるウサギが可愛くて・・・。」

ページにフィナボッチ数とか何とか書いてある所にウサギが載っていたので、そうしどろもどろに言ってみると。そうだね。これがフィナボッチ数の例だね。とか何とか、話し始める。(助かった!ありがとうウサギ!!)

その後からずっと、隣の教室から聞こえる先生の方へ意識がいっていた。武田先生が好きな先生も、甘いのが好きな先生も、猿飛先生を困らせてる先生も。 全部全部好きなんです。 いつか、この事が先生に言えるといいな。


せんせー!
 


私は真田幸村先生の事を、ずっと好きでいることを誓います。

隣の教室にいるであろうその人を想いながら、そっと誓ってみた。


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