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言い間違い注意報!


こんにちわ。魔導学園に通っている、ナマエです。 
太陽がキラキラと輝く、青空の下。ある大会に挑もうとしています。
「さてさて。ぷよ勝負と洒落込みましょうか?」
とはいっても。ナマエといったら、紅蓮の魔導師と答えられるほど、人に知られている。
だからかは知らないが。
「だれか、対戦してくれたって良いんじゃぁ無い!?」
だれも相手をしてくれないのが現状だったりする。
 
言い間違い注意報!!

「あぁ・・・この清清しい天気は、私を笑っているようだ・・・。」
そう呟いても空の青さは変わらず、恨んでいる私がすごくあほらしく思える。
「アコール先生か、レムレスか・・・。あの人たちに会えば、私と対戦してくれるかなぁ・・・。」
独り言を言いながら歩いていると、今から対戦しようとしている人たちが見えた。 
「あぁ・・・いいなぁ。対戦できて。私なんか、会ったとたん逃げられたからね・・・って、アルルじゃん!」
忘れていた。アルルならやってくれる気がする。あの子ポジティブだから。
そう言って近づいて行くと、アルルたちの話し声が聞こえた。(途中からだが。)
「・・・素直じゃないのは、百も承知。そんなにはしゃぐな、照れるじゃないか。」
「・・・。」 
ええっと・・・彼は誰?
私は、銀髪の彼を見た。私よりも年上に見えるが・・・。
そう考えていると、アルルたちがのんびりと話し始めた。
「でも、ホントーに心のそこから喜んでるんだ。」
「じゃあ、今なら俺の願いを聞いてくれるか?」
・・・彼らはどんな関係なんでしょうか? 
「えー。願いって何だったっけ〜?」
「はぐらかすな。」
この様子からだと・・・友人か何かかな?
そう思っていると、考えもしなかった言葉が男のほうから飛び出した。

「お前が・・・欲しい!!」
「は!?」
突然の言葉で、私は声が出てしまった。(向こうは気づいていないようだが。)
そして、その後の言葉も私を驚かせる羽目になった。
「シェゾ、ヘンタ〜イ。でも、懐かしいから・・・今日だけもっと言っても良いよ♪」
「はい!?」 
「そ・・・そうか。じゃぁ・・・お前が・・・ほ・し・い!」
「・・・何言ってるのこの人たちは・・・。」
そう言って、ぷよ勝負を始めたらしいが。私がひとつ思ったことがある。
いちゃつくのなら、他所でやってくれ!!
何だ君たちは。彼氏いない暦=自分の年の私に対する嫌味か!?嫌味なのか!!??
「そうか・・・そうなのか。そう言うのであれば・・・。」
このナマエ。勝った方にぷよ勝負を申し込もうじゃないか!!
別に誰が誰と付き合っていようが関係ない。だけど・・・。

「見せ付けられると、何ともいえない感情がこみ上げてくるよ・・・。」

と言う事なので。私はどちらが勝つのか待つことにした。(あぁ、苛々する。)
「別に、どっちが勝っても・・・。」
私は一歩、足を踏み出しこう言った。 
「ぶっ潰す!!」
・・・あ。本当はこんな言葉は使っちゃいけませんからね?

そして。勝負を見ながら待っていると、勝ったのは・・・。
「彼氏君が勝ったのか。・・・まぁ、アルルとは戦いたくなかったからいいけど。」
戦いたくなかったのか!?という突っ込みは置いておいて。
「こんにちはー。ナマエでーす。」
私は彼氏君に話しかけた。(営業スマイルで。)
「ナマエ・・・?あぁ、紅蓮の魔導師ナマエか。」
「あれ、知ってるんだ。・・・どうせ、彼女さんに聞いたんでしょう?」
そう言うと、驚いたように私に話しかけた。
「彼女・・・?俺には恋人なんていないが。」
「・・・え。アルルと付き合っているんじゃないの?」
「いや、付き合ってないが。というか、ナマエという名前は、鬼っ子が言ってたんだ。」
鬼っ子・・・という事は、多分リデルだろう。(しかし・・・アルルと付き合っていなかったのか。)
という事は・・・さっきの私が怒ったことは・・・意味が無かったということで・・・。 
「あ、すいませんでした。・・・じゃ。」
にこやかに立ち去ろう。うん、そうだ。それが良い。
そう思って立ち去ろうとしたが、思い切り腕をつかまれた。
「俺の名前はシェゾ、闇の魔導師だ。紅蓮の魔導師の力・・・見せてもらおうか。」
そう言われ、剣を私のほうに向けた。どうやら、勝負を申し込まれたらしい。
別に、相手がいなかった事だし・・・勝負・・・してみようかな?
そう思い、手から炎を出しながらこう言った。
「紅蓮の魔導師ナマエ。やってもいいが・・・火傷するなよ?」
「望むところだ!!」
そう言って、大会に参加して初めての勝負が幕を開けた。 

「・・・油断してたら、危なかったかもな。」
のんびりと話すのは、私だ。(まぁ、勝ったということでして。)
そして、負けてしまった彼はというと、すごく肩を震わせている。
あー・・・やっちゃったかな・・・。とか、少し後悔する私だったが。
シェゾという男は、私の考えの斜め上を行く人間だったらしい。
シェゾは顔を真っ赤にさせながら、私にこう言った。
「お前の力・・・見事だ。」
「あー・・・どうも?」
にこやかに笑って、返事をすると。向こうはさらに顔を赤くする。(どうかしたんだろうか。)
「どうかしましたか・・・?」
そう私が聞くと、シェゾはこう言った。
「こう言うのが・・・一目ぼれというのか?」
「はい?」
私は、一体何が起こっているのかわからない。(いきなり、何を言っているんだ。)
困惑していると、シェゾが私に向かって叫んだ。


「お前が・・・欲しい!!」


始め、何を考えているのかわからなかったから、私は言った。
「えっと・・・アルルが好きなんですよね?浮気は良くありませんよ?」
「・・・俺が欲しいのは力だけなんだぁぁぁあぁぁぁぁあ!!」

ちなみに。さっきの言葉がシェゾの告白と気づくのは、もっと後のことだったりする。 

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