めりーくりすます! 夜なのにプリンプ学園には明かりが灯っている。いつもは閉まっているここに何で明かりが灯っているかというと、何たって今日はそう。 「クリスマス・・・だもんなぁ。」 ここの人たちが行事好きなのもあって、クリスマスなどの行事はいつも華やかだ。 (それ以外もだけれども。) 「まぁいいや、今日はクリスマスだし、無礼講無礼講!!」 タダ飯、タダ酒し放題だ!!そう気合い(?)を入れて、この時間は開かない扉を開けた。 「めりーくりすます!」 中にはいると、おもいっきしどんちゃん騒ぎをしていた。 「ナマエ、遅かったね。」 「やぁ、レムレス。・・・君、もしかして酔ってるとか言わない?」 そう聞くと、驚いた顔をして「ま・さ・かー!!君に酔ってるんだよ〜☆」 ・・・あぁ、なんかこいつ駄目だ。(今更だが。)そう思い、目の前の怪しい奴にほとほと困っていると、後ろから声がした。 「ナマエが困っているだろう。その辺で止めてやるんだな。」 「あーっと、シェゾか?」 後ろを向くと、当たっていてちょっとホッとする。(良かった・・・間違えてなかった。) 「全く、ナマエも気を付けろよ。こんな怪しい奴に近づくなよな。」 「あぁ・・・うん。(君も十分怪しいんだけどな・・・)」 まぁ、そう言っても。目の前の彼は勘違いされるだけで、根はいい奴だから 「俺の所に来い!!」・・・あれ? 「えーっと?シェ、シェゾ。その発言は少々危ないんだけど・・・。」 「あぁああ!?間違えた!いや、ちょっとあれかもしれんが・・・って、ナマエ逃げるな!!」 「そりゃぁ、逃げるでしょ。君、怪しいから。」 「お前だけには言われたくな「あーそっか、君は“変態”だったもんね☆」ちっがーう!!」 そう言いながら、2人が私を追ってくる。(追ってこなくても良いだろうが!!)しかも片方箒で追ってくるし。(チート過ぎるだろおぉぉぉ!!) 「クリスマスってこんな危ない行事だっけ・・・周りも助けてくれないし・・・って、うわぁあ!?」 いきなり腕を引っ張られて転びそうになりながら、私は引っ張った(助けてくれた?)人を必死に見た。 「ナマエだいじょーぶ?」 「ナイス、シグ!!ちょっとあの変態らを何とかしてくれ!」 「うん、わかったー。でも、ナマエはここにいて。」 「え、ちょっま。無理です。あいつらが来てます。」 「やだ。」 そう言って、ぎゅーっと抱きしめてくるシグ。 いやぁ、別に良いんですよ?抱きしめてくるぐらいだったら。でも。 「シグ、何僕のナマエに抱きついてるの?」 「待て待て待て。いつの間にレムレスの物になってるんだ私は!?」 「そうだ「シェゾ。少し口を閉じた方が私は賢明だと思うよ。」 そう言いながら、2人はシグにじりじりと近づいてくる。シグはシグで『なに、ナマエに抱きついちゃいけないの??』みたいな顔をして居るので、自分の事じゃない(?)けれど、冷や汗が出てきた。3人とも無言になり、私としてはとても気まずい。周りはそんなことも気にせず、普通に過ごしている。何で私だけ、こんな目に遭うんだ!? 半ば泣きそうになっていると、ぐいっと後ろから誰かに引っ張られる。 「今度は誰だ・・・って、あや!!」 クルークの怪しいバージョン(ちなみに私は、親しみを込めて‘あや’と呼んでたりする。)が私をちらりと見て一言。 「逃げるぞ。」 と言ったので、私は走り出した。 どうやら3人は、まだあそこでにらみ合っているらしい。だけれど、いつかはあの3人に見つかってしまうだろう。 それに気づいたのか、あやが学園内では危ないと言ったので、私たちは学園の外へと走り出した。そして私はと言うとその間、ボーっと考えていた。サンタさん、今年のプレゼント決めました。 平和な環境が欲しいです 「ナマエ、もうこのままどこかへ逃げようか?」 その言葉を聞いた途端、あぁ、こいつもか。と悟ってしまう。せっかくのクリスマスなのに、のんびり過ごせないってどういうことなんだ!!! 私はそう思いながら、ため息をついた。 どうやら、私に平和なクリスマスを過ごさせてくれないらしい。 back |