いっぱい食べる君が好き 久しぶりに落ち着いて朝食を食べられる時間があったので、虎徹さんを無理矢理たたき 起こしてきて、椅子に座らせる。 「なんだよ、ナマエ・・・おれ、眠いんだって・・・。」 「良いじゃないですか、虎徹さんも、今日はまだ仕事入ってないんだし。」 たまには朝食を一緒に食べましょうよ。と言えば、「そういやぁ、ナマエと一緒に朝食食べるの、久しぶりだなぁ・・・。」と、呟いた。毎度の事ながら、この人は朝弱い。自分も弱い部類にはいるけれども、それ以上に起きてくる時間が遅い。今にも閉じてしまいそうな目を見ながら、折角の休日なのに大半を眠って過ごすのは、ヒーローとして、どうかと思ってしまう。 「・・・・・虎徹さん、ご飯、没収しますよ。」 「!!」 そう言った瞬間、彼の目が開いて近くにあったサンドイッチを掴んで食べ始めた。次第に覚醒してきたのか、食べ始めたときよりもだんだん早く口の中に物が入っていっている。 「虎徹さん、ちゃんと噛んでます?」 「噛んでるっつーの!俺はナマエよりも年上なんだから、子供扱いすんな!」 「・・・・・・いえ、子供扱いはしてませんよ。」 ガツガツ食べているせいか、彼の頬にはケチャップが。それをじっと凝視しながらそう言ってみるも、彼は全く気づいていないらしい。 「いーや、絶対してるな!」 「してませんて。」 そう言っても、全然信用してくれない彼(しかも未だケチャップが付いている。)の方へ、溜息をつきながら歩いていく。 「私は。虎徹さんを大きな子供だと思って接してます。」 そう言いながら指で頬のケチャップを取り、それを口に含む。 「ちょ、おま・・・何つーことすんだよ!」 「ケチャップ取ってあげただけです。」 そう言うと、少し顔を赤くしながら、なにかモニョモニョと口を動かしている。そんな彼をクスリと笑いながら、私は空になったお皿を指さして虎徹さんに尋ねた。 「あ、お代わり要りますか?」 「・・・・・・お代わり。」 そう言って、少し何か言いたそうな顔をしながら差し出されるお皿を、笑いながら受け取った。 いつも、言いたいことがあったんです。 そう言いながら、私は彼にサンドイッチが載ったお皿を渡す。 「サンキュ。・・・で、何?」 「それ、どうにかなりませんか?」 「それ、って?」 疑問を疑問で返されたので、彼に解るようにオムレツの上の赤かったケチャップが、淡いクリーム色に上塗りされているのを指さす。 「・・・マヨネーズ?」 「ちょっとかけすぎじゃないですか?」 「ナマエ、これが俺のアイデンティティだ!」 そう、胸を張って言われてしまい、冷蔵庫の白い魔物を一週間禁止しようかと思ってしまった、そんな休日の朝。 (いっぱい食べる虎徹さんは良いですけど、マヨネーズの摂り過ぎは・・・嫌です。むしろ危険なので止めて欲しいです。) (・・・え、ちょっと待ってナマエ。そのマヨネーズどうすんの!?) (・・・え?) (え、待った、ちょっと、それだけは!ナマエー!!!) back |