ショート | ナノ
散りばめてカラフル


「俺がお前をマジビューティーにしてやるし!!」

先日、髪が痛んでいることをめざとく見つけたサニーが、声を荒げていたのを思い出す。

「私、髪に神経通ってるので・・・遠慮します。」
「−−や、俺にも通ってるし。」

ハサミを片手に、完全にやる気になっているサニーにナマエは控えめにお断りを入れたのだが、如何せん聞く耳を持たないのだ。

「別に、毛先揃えるだけだし、どってことなくね?」

じゃあお前は髪を切るのかと問いたくなったが、きっとそれは手入れしてるからで済まされてしまうだろう。所詮口実にもなりえない理由しか思いつかなかったナマエにはサニーとの口論で勝てる訳なんか無い。

「−前が、知らない奴には髪触らせたくないって言うから、俺が切ってやるっていってんだしよ!!」

トリコやココよりかは上手に切れる自信あるんだぜ、と自信満々にサニーは胸を張る。

「痛くしたら、そのまま触覚で吹っ飛ばすけど・・・(反動的に)」
「ーッ等、上から押さえ込んでやっから!」

確かに能力のパワー差から言ったら全力で暴れても押さえ込む程度の能力はあるし。きっと自分が暴れるのも考えた上で言っているのだろうから、もう何を言ってもサニーには無駄だと諦めて大人しく用意された椅子に座りこんだ。

「・・・で、これ。飲んで10分経ったらはじめっから。」

差し出されたのは青色のガラス瓶に入ったなにかの液体。ガラスについた青色のせいで何色の液体が入ってるのかは解らない。

「・・・なにこれ。」
「俺達には半端な痛み止めきかねぇだろ。毒の野郎に頼んだ。」

つくしくねぇけど、痛いよりましだろ?なんて笑う彼に苦笑を隠しきれない。ココに頼んだと言うことは効き目は多分確かなのだろうが、より不安を掻き立てる材料にしかならない。(あいつならきっと痛み止めとかより、神経毒盛ってきてるだろうしなぁ・・・)四天王一性格の悪いドSな優男はナマエの事を酷く気に入らない様子だから。

「・・・どした?」
「いや、飲む。飲むからさ。」

毒を喰らって毒を制すって言葉もあるし。いざとなったら痛みを凌駕する痛みで卒倒するだけの話だし。簡単な蘇生法ならIGOで習っただろうし、と軽く自分で復唱して小瓶を口に含む。どろり、と口の中に広がった何とも言えない味。

「さぁ、やるなら、早く!!」

ちょっと涙目になりながら、サニーを振り向けばサニーが青ざめた。

「あ、やべ・・・」

それに違和感を感じ、問いつめてみれば、早く吐け、なんてよっぽどやばいのと薬間違えたんだろうと予想が付く。

「グルメ細胞入ってるし、よっぽど死なないから吐かなくても大丈夫だけd・・・「いいから!!」

水のコップとバケツを慌てて持ってこられても・・・ここで吐けと?
変な所で気の利かないお馬鹿さんに、何を持ったの、と聞けば、カラフルな髪色以上に顔を変色させながら、あーだのうーだの唸る。

「・・・それ、よ。  媚薬だったら・・・どーする?」
「水と、トイレ貸して。全力で吐いてくる。」


カラフルカラーフェイス


まぁ、美味しく頂かれたのは言うまでもない話。


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