ある日の朝方 「・・・・・・。」 学校に着いてから、暴風警報が出されていたことに気が付いた私は、何とも言えずにホームに立っていた。 確かに嬉しい。嬉しい気持ちもあるけれど、家から出てくる前にその事を知りたかった。 近くにあった椅子に座っていると、何時来るか分からない。とアナウンスが流れ、駅員さんが悪くもないのに謝っている。 何で謝るんだろうとか、何時も聞いているセリフにぼーっと思考を向けて、電車を待つことにした。 「よぉ、ナマエ屋ぁ。」 「あ・・・と・・・トラファルガー君・・・?」 確か、そんな名前だったはずだ。同じくラスで、かつ有名な人らしいけれど私は全然関わらないし。(むしろ関わりたくな・・・ごめん。) クラスの皆の名前を把握してない私が、しどろもどろに言えば、何も言わず隣に座りやがっ・・・座った。 何か悪いことでもしただろうか、それとも名前を間違えていたのか・・・。 「えーっと・・・何か用ですか・・・?」 頼むから私に近寄らないで欲しい。色んな面倒事に巻き込まれたくない私は、控えめに彼に聞くことにした。 「あ?ナマエ、おれはお前に何か用が無いと近づいたらダメなのか?」 「いやぁ・・・他の席とか、色々空いてますよ。って言いたいだけで。」 「へぇ・・・おれに命令するなんて良い度胸じゃねぇか。」 「いや、違っ「じゃぁ良いな。」 ・・・・・・女は口喧嘩が強いとか聞いたことがあるけれど、瞬殺。 そんなに話したことはなかったけど、結構俺様なんだなぁ・・・と思いながら、また線路を見つめる。 早く電車が来ると良い。彼が隣にいることを観念して、音も何も聞こえないホームで電車が来るのを祈った。 これは話題を振らないといけないのかとか不安だったけど、隣は本を読んでいるらしく、少し安心し。 彼の気紛れに慣れた私は、家に帰ったら何をしようかなとか、どうでも良いことを考えながら、同じように本を読み始める。 2,3pぐらい読んだ所で、私の思考は一気に現実へと引き戻されることになるのだけれど。 「やっと来た・・・!」 右の方を見ると、ラインの入った電車がこちらにやって来るのが見えた。 やっと家に帰れると言うのと、やっとこの不思議な空間から開放されると思って、勢いよく立ち上がる。 何の気無しに横を見ると、トラファルガー君は心なしか不機嫌そうに見え。今の行動が不味かったのだろうかと、焦ってしまう。 「あー・・・ごめん。」 「・・・・・・。」 やばい、本気で怒らせたかもしれない。そう思ったが早いか、いつの間にか扉を開けていた電車に逃げるように乗り込む。 ふはは、文化系女子の本気を見たか!と心の中で叫びながら、閉まった扉の方を首だけ向けようとした。 それが私の立場を危うくさせるなんて、その時の私は考えもしなかったのだけれども。 嵐はまだ過ぎ去らないようで。 (ナマエ屋・・・どうして逃げた・・・。) (う、うわぁ!?何で?) (おれの本気をなめるなよ・・・。) (・・・・・・すいません。) back |