HAPPY BIRTH DAY! それは何気ない会話から始まった。 「あ、そう言えばドレークさん。・・・机の横の荷物って何なんですか?」 「ん?・・・・・・ああ、これか?プレゼントだ。」 「プレゼント?何のですか?」 「ああ、ナマエには言ってなかったか?今日はおれの誕生日なんだ。」 「・・・・・・え、たん・・・じょうび?」 何かの記念かなとか思っていたさっきまでの私を正直な話、殴ってやりたい。 「まじですか。」 「まじだ。」 ドレークさんが用意してくれたケーキをフォークで刺しながら、そんな会話をして言る私 誰かがここに居合わせていたなら、なかなかにシュールだったと思う。まさか今日が誕生日の人にケーキを奢ってもらうだなんて、そんなことそうそうない・・・はずだけど。そう思いながら、フォークの支えだけで浮かんでいる、頼りなさげなケーキを口の中へと入れる。 「・・・おいしいか?」 「おいしいですよ!この外のサクサクしたタルト生地とか、中のリンゴの甘酸っぱさ・・・おいしいです!!」 「そうか、なら良かった。」 「えへへ・・・そうですか?・・・って違います!!」 「ん、ナマエ。何か駄目だったか?」 「いやいやいや、駄目とかの問題じゃなくってですね!!」 「?」 祝われる人間が祝ってもらう人にケーキを奢るってどうなんですか。と言ってみれば。「とある国ではお祝いに来てくれた人にケーキとコーヒーを振る舞うらしいぞ?」と返される。いや、私が言いたいのはそういう事じゃなくってですね・・・!とまた堂々巡り。 「別にいいじゃないか。おれがやりたくてやっているのだから。」 「・・・なんか腑に落ちないような気がするんですけど。」 「じゃぁ、今日は誕生日だからな。悪いがおれの意見を通してくれないか。」 「え、そこでその特権を行使するんですか。」 HAPPY BIRTH DAY!! 「言ってくれれば、何か用意したのに・・・。」 「そこまで落ち込まなくてもいいだろう・・・?」 「いや誕生日の人にここまでされたら、普通軽くでもショック受けますって。」 「そうか?ほら、サプライズだと思えば。」 「・・・それって誕生日の人が受けるやつですよね・・・・・・?」 back |