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貴方が私の花嫁様


「今日からここが家だァ!」

その言葉にキャッキャと騒いでしまうのは仕方ないだろう。変な実を食べてしまってから、周りの反応が変わってしまい、もう人なんて信用できない!なんて縫いぐるみに囲まれて遊んでいたら、あの退屈で大嫌いな島に、私を迎えに来てくれた人がいたのだ。

ちょっと大柄で顔は怖いけど、私を怖がったりなんてしなくて。体型がちょっとキュート。 そんな彼はそれなりに強いらしく、なんとあの王下七武海のゲッコー・モリア様らしい。

私の、この力が必要だ・・・なんて。無用のものだと思っていたこの力がモリア様には必要なんだって。世界って上手い事出来ているなぁと縫いぐるみを弄りながら聞いていた。

「名前は?」
「ん、ペローナって言うの。」

私は手の中の縫いぐるみの友達の事を聞かれたのだと思って、モリア様にペローナと呼んでいる縫いぐるみの手を持ち上げて挨拶した。

「そうか、ペローナ。欲しいものがあったら言え。」
「はぁい。」

私の名前はナマエで、ペローナはこっち。なんて言おうかと思ったけど、大人はそう言うと面倒くさそうな顔をするから、訂正に口を開いたがすぐに閉じる。嫌われるのは悲しいから。
俯いていれば大きな手が頭を撫でる。長い爪は頂けないが、ふわりとしたクッションのような掌はとても好きだ。

用意された部屋も申し分ない。(外が暗い森でなければ最高だったが) かわいい縫いぐるみと調度品。可愛い服。そこで少し首を傾げた。

「モリア様、」
「ん、なんだ。」
「なんでもない。」

短いピンクの髪に大きな目。よく女の子に間違われていたから、もう馴れて仕舞っていたから怒りは無いが、とりあえず否定をしようとした所で、目の前に差し出された服。

「可愛いだろ、似合うぞ。」
「・・・そうかな。」

モリア様が言うなら間違いないだろう。前はからかいがちに女みたいと言われて泣いていたが、モリア様のは純粋な好意だ。ならば、私の回答は決まっている。

「ありがとうモリア様!」

大事に着るね、と言えばモリア様は大きく笑った。

「俺と居れば、お前はお姫様だぞペローナ!キシシシ!!」
「わぁ!素敵!」

欲しいものだって幾らでもくれる、とモリア様は言った。そのかわり協力しろとも言ったけど。特に何も考えず頷いた。

「じゃあ私、モリア様が欲しーい!」
「キシシシ!じゃあデカくなったら結婚も考えてやる!」
「本当? 結婚する?」
「考えてやる。」
「やったあ!じゃあモリア様は私のお嫁さんだね!」

にこにこと笑えば、モリア様は苦虫を噛み潰した顔をして笑った。

貴方が私の花嫁様


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