作業中断 「ホーキンスさん・・・何かの魔術ですか、それ。」 「ナマエか。・・・あぁ、後もう少しで術は完成する。」 そう言って、見るからに変な液体を魔法陣らしきところに流し込んでいるホーキンスさん。その様子を怪しげに見ていたのだが、途中、いきなり彼が止まる。 「?・・・どうかしましたか?」 「血が、足りない。」 一瞬彼の体に足りないのかと思ったが、近くに置いてある本の材料欄の最後にBLOODの文字が。 「貴方のじゃ駄目なんですか?」 「・・・分量は三滴、作業の途中でそれ以上の血が入る可能性がある。」 そう言って、どうしようかと考えているホーキンスさん。(彼には『止血』と言う単語はどうやら存在しないらしい。) 私は小さく溜息を吐いて、近くに置いてあったナイフに手を伸ばす。 「三滴、でしたっけ?基準が分からないんで、アレですけど。・・・どうぞ。」 「!!、ナマエ・・・残念だが、この術は又の機会にする。」 軽く傷つけて、血が滲んでいる指を見せつけると、彼はそう呟いて私の血は魔法陣(?)に入ることなく。彼の口の中に、入っていった。 ビックリして動けない私を余所に、彼は魔法陣のほうを目だけで見た後、じりじりとした痛みを持つ小さな傷口を大きく舐め。 くれてやるには惜しい と、ゆっくりと呟いた。 「・・・え、ほ、ホーキンスさん。何してるんですか?」 「見て分からないかナマエ、止血だ。」 (そ、存在した!!!) (・・・なにがだ?) back |