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とても愛しくて酷い人


「僕、スリザリンは嫌だよ。兄さんや父さんや母さん達みたいにグリフィンドールが良いんだ。」

駅のホームで兄弟にからかわれて泣きそうになっている子供。そして、大きくなった英雄、ハリーは今度は父親としてそのホームにいた。それを微笑ましく見守る彼の親友夫妻、ロンとハーマイオニーは懐かしむように己の子供達を駅へと見送る。

「アルバス、お前はお父さんの尊敬した二人の校長先生の名前がついているんだ。」
その一言を解らないといった様子でアルバス、と呼ばれた彼の息子は聞いている。

「アルバス・セブルス・ポッター、そのうち一人はスリザリン生だったけれど、とても偉大な人だった。」 
「でも、僕は、グリフィンドールが良いんだ。」
「もし、スリザリンだったとしてもお前に勇気が無いという事じゃない。」
その言葉に、まだ息子のアルバスは不安そうだ。
「どうしても、と言うときには帽子に相談してみると良い。きっと聞いてくれるはずだから。」

発車する時間が近づいたときにハリーは、人混みに紛れて手を振るある人をみた気がした。 セブルス・スネイプ。彼の言う、偉大なスリザリン生。その近くに、もうあの日から会っていない、自分の母親に良く似たその人を。


『セブルス!!』
アルバスが振り返ると、名前を呼んだと思われる人と、黒い髪をした落ち着いた上級生が居た。

『セブルス、聞けよ。今年は、あのハリー・ポッターの子供がもう一人入ってくるんだってさ。』
『へぇ、興味無いな。有名人は面倒なのが多いんだ。』
『まぁジェームズは少し悪戯がすぎるから、でもそう言うなよ。』
『あれは少し、とは言わない。それの弟?似たようなものだろう。』
『それだけだったら、わざわざセブルスには言わないよ。なんと、お前とミドルネームが一緒なんだ!!』
『・・・・・・そうか。』

その会話を聞いてアルバスは己の名と同じ名前を持つ彼をじっと見る。
ふ、と目があった時に彼が微笑んだ気がしたのだが、すぐ彼は視線を彼の手元に持っていた本に戻してしまう。顔を良く見たかったが彼の肩まである黒い髪が邪魔してよく見えなかった。しばらくして、帽子の順番が近づいてきて彼の姿は人に紛れて解らなくなった。

「スリザリンか、グリフィンドールか・・・」
(グリフィンドールが良い!!)
帽子がそれに返した言葉は「そうだろうな」の一言だった。
『アルバス・セブルス・ポッター、グリフィンドール!!』

グリフィンドールの席に着いた自分に、兄弟が良くやったと頭を撫でてくる。
「ねぇ、兄さん、もう一人居る“セブルス”って誰?」
「ああ、口五月蝿い セブルス・スネイプjr の事か?」
「うん。多分その人だと思う。」


「あいつは、グリフィンドールの監督生だ。」


今に繋がれる物語

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