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お前の為じゃない、私のためだ


「おはよう。・・・と、トーストでも食うか?」
それに返事を返すと、アーサーはトースト焼き機(菊の家にあったけれど、名前なんだっけ・・・?)に食パンを突っ込み。
私はトースト焼き機のタイマーが動くのを見ながら、以前アルフレッドがいっていたことを思いだしていた。
「気をつけるんだぞ。アーサーの料理は凄いんだからな!!」って言っていたけれど、流石にこれに凄いも何もないだろう。
(まぁ、アルフレッドの料理も人のこと言えませんけど・・・ね・・・?!)
ボーっとしていたその瞬間。
焼けたという合図を焼き機が鳴らすと、トーストは私の背より高く飛び上がった。
「何で・・・・!!」
そう言った後、私の顔面にベシャリといい音をさせて、トーストがダイブしてきた。

「コラ、アーサー。トーストが私の顔にダイビングしたんですが。これって何かのいじめですか?妖精さんを使ったんですか?」
「え、トースターのことか。それって普通だろ?」
そうひょうひょうと答えるアーサー。どうやら、これはイギリスでは普通・・・らしい。(いや、流石に日本では普通じゃないよ?)
料理だけじゃなくて、調理器具も危険って事か・・・!!(と言うかこれ、トースターって言うのか・・・。)
と言うことは、トーストを食べようとすると、必然的に顔面キャッチをすることになる。(アーサーみたいに、空飛ぶトーストを器用にキャッチするという気は・・・全くない。)
「・・・今度、菊の家からトースター貰ってくる。確かあったと思ったから。」
と、私は呟いた。それが、多分一番良い選択だと思う。すると、アーサーは顔を赤くして動揺し始めた。
「え・・・それって日本で言う花嫁道g「うん。顔にでもトーストつけておこうか。」
私はそう言って、顔にトーストをグイグイ押しつけた。
 

お前の為じゃない、私のためだ!!


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