魔法の呪文 | ナノ


事故は突然に


もう一つの爆弾の近くに、爆弾が置いてあった。

「初めから3つあったって事か?」
「・・・・・・それは無いです。」

何故。と聞くと、簡単な答えが返ってくる。

「だってさっきの爆弾、このデパート丸々爆破できますから。」
「あー・・・そう。」

これ、どうすっかな。そう思っていると、『雅』が普通に蓋を開けている。
「どわぁぁぁあ!!な・・・何勝手に開けてんだ!!」
「・・・え?駄目ですか?」

駄目に決まってるだろ!!!止めさせようとした瞬間、そんな言葉が聞こえる。

「・・・OSU−800番・・・まぁーよくこんな酷い癇癪持ちの子を・・・。」
「知ってんのか?」
「まぁ、知ってますよ。・・・厄介な子ですよ。」

そう言いながら、『雅』は鞄から取り出したポーチの口を開けている。

「あ、そうだ。警察って呼びました?」
「え、あ?・・・呼んでねぇけど?」

そう言うと、急に『雅』の顔が険しくなり、冷たい声で言い放った。

「・・・なんで、呼んでないんですか。携帯貸してください。」
それを聞いて、俺は急いで携帯を取り出した。

「来れない!?どういうことだ!」

そう声を荒げて尋ねると、帰ってきた理由は【渋滞】。デパートに通じる道が交通事故の為、ストップしているらしい。

「・・・解りました。では、近くに勤務している人を寄越してください。安全区域まで市民の誘導をお願いします。」

そう言った後、荒っぽく電話を切って鏑木さんに渡す。

「ありがとうございました。」
「なんか・・・来れない感じ?」
「最低3時間はかかると。」

そう言った後、私は周りを見渡す。

「本当は冷やしてもらって、安全に事を進めたかったんですが・・・。仕方ないですね。」

ここで『この子』には眠ってもらうしかない。そう思い立ち、鞄から紙を出してさらさらと書き始める。

「すみませんが、急いでこれらを揃えて貰えませんか?」

そう言って、鏑木さんに紙を押しつける。それにしても助かった。一人になった後、呟いた。

「ここがデパートだったことは・・・不幸中の幸いだったかも。」
「・・・で、のこのこ『雅さん』を置いて、それらを集めてたんですか!?」

本当に貴方は馬鹿でしょう、と呟けばうるせぇよ!と怒鳴られる。こちらの解体作業は終わっておじさん達を探していると、その事実を聞くことに。

「全く・・・馬鹿なこと、してないで下さいよ・・・!!」

そう呟きながら、おじさんを先頭に、僕たちは『雅さん』の所へと急いだ。(勿論犯人も一緒に。)


Accident will happen. 


チリーンと音がした後、私はゆっくりと携帯の画面を覗き込む。

「・・・ここも。取りあえず大元を絶たないと、いけないみたいだね。」

やれるところまでやって鏑木さんを待とう。そう思った後慎重に手を動かす。額から出てきた汗を拭いながら鏑木さんの帰りを待った。


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