君の隣 | ナノ


警告は何度目か


大体語りあった所ではた、と時計を見てみれば夜もかなり更けこんでいた。アルコール少量でも多少酔っているのか、ココは少し眠そうにしている。

「キッス鳥目だしなぁ・・・、今日泊まっていく?」
「そのつもりで飲酒したんだけど、な?」
「了解、じゃあ風呂先入って。その間にベッド整えとくから。」
「え、僕ソファでいいよ。悪いし。」
「ココをソファで寝かせて、自分だけベッドとか無理だから!夢見悪い!」
「・・・じゃあ一緒に寝る?ギンのベッド広いから寝れ無くないよね?」
「へ・・・?」

その回答に呆けていると、ココはくすくす笑いながら風呂に向かう。どうやら俺はからかわれていたようだ。

「ったく。 あー・・・ココの寝間着どーすっかな・・・。」

大体寝室を整え終わったところで浴室から上がったであろうココから声がかかる。

「・・・僕どうしたらいい?」
「ちょっと待って、今持っていく!」

下着は脱衣所のやつ勝手に使って貰うとして、急遽大きめのTシャツと半ズボンを持って行く。

「待たせた・・・、って、」
「ありがとう。・・・どうしたの?」

分かっていて聴くこいつは確実に確信犯だと思う。普段ぴっちりと黒いタイツで隠れている肌は思った以上に白く、細身だと思っていた身体にもしっかりと無駄なくついた筋肉。まるで彫刻の様だ。まぁ目線が下に行ってしまうのは、男の性というもので。まったく、自分も本当に品がない。

「・・・何処見てるの?」
「・・・っ、お前もちょっとは隠せ!」

ほら、と押しつけるように手渡したのは先程の寝間着代用。

「下着は?」
「あー・・・そこの棚に入ってるから適当に穿いてって。多分サイズ一緒だと思うから。」
「じゃあ俺も入るから。先寝てていいよ。」

脱衣所からココを追い出し、そのまま服を脱ぎ捨てて浴室に入る。さっきのを見た後だと、なんか自信を無くしてしまいそうになる。

「いや、四天王とかが規格外なだけだよな。うん。」

筋肉がつきにくいのは体質だから仕方ないと、諦めたのはずっと前の話。正直そういえば今日来たゼブラとかいうのも結構良い体格してたよな・・・と思う。男としてやっぱり憧れるのは仕方ない。もうちょっとハント行くの増やすか、と一人で勝手に決定して風呂から上がる。

「次何処行こうかな・・・海とか結構好きだけどな・・・」
「海は僕も嫌いじゃないよ。」
「・・・なんでお前が脱衣所に居る。」

男が不敵に笑った瞬間の視線が完全に獲物を狙う目だと気付いた頃にはもう遅い。


あの警告は何度目だったか 



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