寡黙な詐欺師 | ナノ


異文化交差地点


いつものように堂々と海軍本部に入り込み、スモーカーさんの部屋へと歩いていった私。ドアを開けるまでは普通だったはず。

「・・・花?」

ドアを開けた瞬間。部屋にはいるのを拒むかのように、私の顔に色んな色の花が当たる。

「え、何ですかこれ・・・・・!!す、スモーカーさん!何ですかこれ、新手のいじめですか!?」

チラリとだが、花に囲まれた視界のすみにスモーカーさんの髪の毛が見えたので、話しかけてみる。

「シルフィンさっさと受け取れ。」
「え・・・受け取れってどういうことですか?「早く受け取れ!」うぇぇぇえええ、すいません!ちょっと中に入らせてください!!」

無理矢理だったけど、何とか部屋の進入に成功した。そして、ゆっくりと一呼吸を置いて、スモーカーさんの方を見てちょっと要求してみる。

「あの、さっきのやり方だと、花を受け取りたくても受け取れないです・・・。」
「・・・・・・その、まぁ。もらっとけ。」
「あ、ありがとうございます・・・今日、何かありましたっけ?」

そう聞くとスモーカーさんは驚き、少しだが顔を赤く染めた。

「そうか・・・シルフィンお前、ワノ国出身か。」
「え、はい。・・・え、もしかしてこういう行事が世界には浸透していたりするんですか?」
「・・・まぁ・・・そうだな。バレンタインデーってな。」
「?・・・あの、それって女性がチョコを送る日なんじゃぁ。」

「「・・・・・・・ん?」」



今日はどっちつかずなバレンタインデー


しばらく無言が続いた後、シルフィンがいきなり笑い始め、おれもそれにつられて笑う。

「じゃぁ、こうしましょう。私珈琲入れてきます。」
「ああ。」
「だからちょっと一服しましょう。」

『じゃぁ』の意味が分からなかったが、おれはそのアイディアに頷き、そしてシルフィンはコーヒーを作り始めた。部屋にだんだん香ってくるコーヒーの匂いを感じながら、ふと机に置いてある花と四角い箱に目を向ける。そして、多分シルフィンが持ってきたであろう箱を開けて、その中の1つを食べる。これをどういう意味で持ってきたかはしらねぇが。(まぁ、毒殺用ではないと思うが)あいつはあいつで、おれが渡した花の意味は分かってねぇんだろうな。おれは軽く笑って、もう一度箱の中身に手を伸ばした。

(できましたよ・・・あー!!何で一人で食べてるんですか!?)
(あ?・・・おれにくれたんだろ?おれがいつ食べたって良いじゃねぇか。)


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