寡黙な詐欺師 | ナノ


キミとボクの構成物質


「・・・ぼろ切れやカタツムリ、犬のしっぽでできている。」
「シルフィン、それはお化けじゃねぇのかい?」

そうおれが言うと、シルフィンは、読んでいた本からおれに視線を移す。
そしてシルフィンはにこやかに笑って、「マルコさんですよ。」と言った。

「・・・・・・は?」

「いえ、マザーグースにそう書いてあったから。」

『男の子』ってそんなもんなんですかね。と彼女はもう一度本に目を戻しながら言った。 そう言われてみれば、背表紙には【マザーグース】と書いてある。

「良くわかんねぇが、そんなもんじゃねぇのかい? 男は大抵悪戯好きが多いしな。」

一瞬、脳裏に某隊長とかが映ったが、あえて気にしなかったことにする。

「女の子は、砂糖やスパイス、綺麗なものから出来てるらしいですよ。」
「シルフィンもかい?」
「うーん、私の小さい頃はそんなもので構成されてなかったけどなぁ・・・。」

今はその分甘いものを摂取してる気がして、お腹周りが気になりますが・・・と、シルフィンは小さくぼやいた。(別にそんなに気になんねぇけどねぃ。)

「おれも、多分そんなのでは構成されてなかったと思うけどなぁ。」
「はい、そんな気がします。・・・どっちかって言うと、悪魔の実と海と青色と白髭さんとパイナップ「シルフィン、ちょっとだまっとけよい。」

最後はちょっと余計だ。

「でもまぁ、海ってのはあってるかもしれねぇよい。」
「そんな気がします。」

そう笑った後、シルフィンが本を閉じてこちらに近づいてくる。


「そう言えば最近。私の構成しているもの、増えたんです。」ほんのり顔を赤くさせて言うシルフィンに、「そう・・・だな。おれも最近増えたんだよい。」と返事をする。

「同じかどうかは解りませんけど、言っても良いですか?」

それにおれが頷くと、とても嬉しそうに彼女は笑った。

「私、最近気付いたんですよ。・・・世の中にはアップルタルトなるものが「シルフィンー!!!」・・・え、何ですか?」

私の構成物質、林檎タルトが増えたんですよー。と、周りに花を散らせながら言うシルフィンの頬をつまみ上げる。

「いたいいたいいたい・・・痛いですってー!!」
「そこは『マルコさんです』とか言うところ・・・あ。」

自分で言っていて止まる。・・・何を言っているんだ、おれは。キョトンとしてこちらを見てくるシルフィン。

「あー・・・何でもねぇよい。」

照れを隠すようにした俺を彼女は不思議そうに見て、言った。


キミとボクの構成物質 


「・・・マルコさんは昔から多分、構成物質認定されてると思いますけど?」
「・・・・・・!?」

(痛い痛いイタ・・・同じ所、引っ張らないでください!!)
(おま、そんなこっぱずかしい事を!!!)


  back


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -