寡黙な詐欺師 | ナノ


水槽の魚


近くにあったのが夏島だからなのだろう、暑い。限りなく暑い。みんなはまだ慣れていない船の散策をしたり、芝生で遊んでいるのだが。何も感じないのだろうか。

「・・・あつい。」
「ならシルフィン、お前水でも浴びてきたらどうだ?」
「あー・・・でも、私客みたいなものだし。水大事でしょ。「そう言うところは律儀なんだな。」うん。めんどくさいよね。」

自分でも解ってる。とウソップに言えば、「それがお前のいいところだろ?」とフォローをしてくれる。

「ははっ、そう言うところ。あの人にそっくり。」
「誰だよ『あの人』って「内緒内緒。」・・・ちぇっ。」

まだ、言ったらつまらない。と言って笑うと、ふと片隅にちょっとした段差を見つけた。

「・・・・・ねぇ、甲板ちょっと水でビタビタになるけど、良いかな?」
「あ、良いんじゃないか?ナミに怒られないぐらいだったら。」
「うん、そっか。じゃぁ。」

これとこれ。あとこれ持ってて。刀と、ポシェットと時計を渡して、木材で蓋がしてある所を開け、外に水が出ないように中へ滑り込んだ。(勿論サンダルは履いてません。)


どぼん、


「・・・シルフィン!?」

またなんかルフィ達が入れたのかと思って、ギターを弾く手を止めて水槽を見て、驚いた。

「      !!     」
「いや、何言ってるかわかんねぇよ。」

向こうもおれのことに気が付いたのか、何かを言っているが、全くわからねぇ。そう言ってやるとシルフィンは何かを考えた後、口をまたパクパクしてやがる。空気を吸わなくて大丈夫なのだろうか。とか、その様子を見ながら思ってしまう。まぁ、顔色が変わってないところを見ると大丈夫なんだろうな。ガラス越しに映るシルフィンに対して不思議な気持ちに駆られながら、そいつににやりと笑った。


水槽の魚 



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