色々、ばれそうです さっきの声でこっちを見たクロコダイルは、まだ生きていやがったのか・・・と言いたげに顔をしかめている。 「NOおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!」 一瞬思考回路が停止した後、そう叫びながら、Mr.3は後ろへ下がる。信じられなくて眼鏡をかけ直すと、目にはいるのは口にくわえている葉巻。 「・・・2本?」 「・・・・・・枯らすぞ。」 一瞬偽物かと思ったが、あの面倒そうに寄せた眉といい、威圧感といい、本物だと確信した。 * * * ニホン・・・にほんって何だ!?と、一層眉をひそめる。(むしろ、彼は誰なんだ。) あの人はクロコダイルの仲間のようだ。あの様子ではまだ大丈夫だけど・・・ばれるのは時間の問題だと思う。取りあえず、『枯らすぞ』『殺すぞ』『死にてぇのか』は物騒だけど、三大安定台詞だと思う。なので、この三大安定台詞を駆使すれば、切り抜けられる。そう思った矢先、現れた男に話しかけられる。 「もう一度チャンスが欲しいガネ!!!」 「・・・チャンスだと?」 「今ここで麦わら一味を殺して見せるガネ!」 「良いだろう。てめぇに何が出来るのか、見物だな・・・だがしかし条件付きだ。」 今ここで殺されても困る。そう思い、ふと閃いたことをそのまま口に乗せた。あの卵(?)から出てきたと言うことは、多分能力者だ。一か八かでやってみるしかない。 「檻で殺したっておれがつまらねぇ。・・・そいつ等を出して、何処までやれるか・・・見物させて貰おうか。」 あの人達を開放したら、取りあえず私はさっさと逃げたい。特にスモーカーさんに捕まらないうちに。 そんな思いを知ってか知らずか、その男の人は鍵を開けた瞬間に、金髪のお兄さんに蹴り飛ばされていた。 近くに吹っ飛んできたその人は、意識が無く。 「あー・・・もう、馬鹿。」 周りぐらいちゃんと確認しろよ。と、軽く文句を言いながら、仕方がないので安全なそうな場所まで避難させる。 「次はてめぇの番だ!」 そうしていると、麦わらに叫ばれる。周りのワニさんはみんな気絶していた。 「・・・ワニさんが可哀想だ・・・。」 「は?“ワニさん”?」 小さく呟いた言葉が、聞こえたのだろう。緑髪のお兄さんは怪しむようにこちらを見る。 やばい、そう思った瞬間、彼等の体が水に飲み込まれていった。壁が壊れた、通路が壊れたとか叫びながら。 「っ!!!・・・あいつら、本当に馬鹿!!!!!!」 悪魔の実の能力者が最低でも2人いるのだから、もう少し気を遣えよ。馬鹿。 そう文句を言いながら、急いで水の中へとダイブした。水から出てきたスモーカー達がホッとしているのも束の間、麦わらがまた水の中に入っていこうとしている。 「ワニが!あいつがまだあそこにいる!!」 ・・・止めようとしたら、このザマだ。その言葉を聞いて、スモーカーは声を荒げる。 「お前、能力者だろうが!!また水の中に戻るんじゃねぇ!!」 「そうよルフィ!あんた、この人の言う通りよ!カナヅチなんだから大人しくしてなさい!!」 「うるせぇ!おれはあいつをぶっ飛ばすんだ!!」 「麦わら、やめておけ。あいつはなぁ・・・・・・!!!!!」 止めようとしたら「おれはそれでも行くんだ!!」とかぬかしやがって、止める手を振りきれずに、落ちた。 「!!!!!」 「ばっ・・・!!!」 ということは、だ。ルフィに引きずられてスモーカーも必然的に落ちるというわけで。 水の中、体が自由に動かず、沈んでいくスモーカーの下から声がした気がした。 こんな所で、声なんか聞こえるはずがねぇ。 弱気になっているからだという結論にいたり、力のでねぇ手で麦わらを掴んで光の方へと向かおうとする。しかし、向かおうとする力より落ちていく力の方が大きく、現状はかなり最悪だ。こんな所で、死んで堪るか。残り少ない息が口から出るのを睨みながら、それでも水を掴んで光の方へ向かおうとする。 「スモーカーさん!!」 馬鹿馬鹿しい話だが、水の中で確かに聞こえたのは、シルフィンの言葉に思えた。 馬鹿とカナヅチは使いよう おれが飛び込もうとした瞬間に、水の中を覗き込むと、人影がみえた。 「ゾロ!何やってるの馬鹿、早く助けに行きなさいよ!」 「うっせーな!ちょっと待てって言ってるんじゃねぇか!!」 そう言っていると、飛び出てきたルフィと海軍の奴に続いて。 「あなた方は能力者なんだから、水の中に飛び込まないでくれますか!!!」 何故か丁寧に怒りはじめたクロコダイルの姿があった。(ご丁寧にルフィ達を陸に置いてから怒り出した。) こいつは・・・敵で、能力者じゃなかったのか・・・?そう思ったのは、おれだけじゃないはずだ。 back |