花言葉を込めて | ナノ


危険


前言撤回。ちょっともう、精神的に辛くなってきました。 嘘つき達の部屋と言う部屋があって、石像が『仲間はずれが一人だけ居る。』というお言葉を頂き、何とか解いた私達。

「・・・・・・イヴ。」
「ん?なに、シルフィン。」

こういう問題は好きだったから、楽しく出来たのでよかったのだけれど。

「ちょーっと、目、良いって言うまで閉じててくれる?」

ザシュザシュ、パリーンと嫌な音がしたから、何事かと思って開けてみたのだけれど、見たのが私だけでよかった。流石に・・・この光景は子供にはキツイよ・・・震える足を何とか踏み出して、部屋を出ることにした。

「出る杭は打たれるというか、何というか。正直に言ってくれたのに、あれは酷いな・・・。」
「?シルフィン何が?」

部屋を出てからそう呟くと、イヴが不思議そうな顔をしてこちらを見ている。

「!!い、いや、何でもない!」

不安そうな顔をしていたら駄目だ。そう思って、私は「まぁ、取りあえず先に進もうか!」と彼女の手を握り直した。

そして。なんやかんやあって、現在唇の前。(うん・・・猛唇注意・・・。)

「なんか注意とか書いてあると、近寄りたくないんだよね。」
「でもシルフィン。もうここしか調べるところ無いよ。」
「うん、そうなんだけどね・・・。」    

そう言って近づいていくと、センサーがあるのか唇に話しかけられる。

「腹減った 食い物寄越せ」
「この人のお腹は何処に「何か持ってるだろ 寄越せ」・・・うわぁ・・・。」

疑問を言おうとしたら、すかさず口(唇?)を挟んできた。(命令形なのが更にイラッとさせる。)

「・・・シルフィン、りんご。」
「りんご?・・・ああ、林檎ね。」

さっき手に入れた木の林檎をポケットから取りだして、唇に持っていった。

「通れて良かったね。」
「うん、良かった。」

でも、口の中に通路ってどうよ?とか思ってしまった私は、駄目なのだろうか。そう思いながらイヴと一緒に廊下を歩いていると、横に見えるのはギロチンの絵。

「・・・。」

連続している絵なのだろう。奥に進むにつれてどんどんギロチンが上がっている。

「これはどういう意図で描かれたんだろうね?」
「うーん、シルフィンはどう思う?」
「私も分からないけどさ。『地獄へのカウントダウンだ!』とかだったら・・・!?」

後ろを向き、一番初めのやつを指さした瞬間。真後ろで何かが叩きつけられる凄い音と風圧を感じた。

「・・・・・・え。」
「・・・・・・は?」

くるりと2人で後ろを振り返ってみると、目の前に徐々に上へと戻っていく本物のギロチンの刃。

「本当にあの世行きでしょ・・・イヴ、大丈夫?」
「え、うん。」

と頷いてくれたので、私はゆっくりと彼女を引き寄せてこう言った。

「ちょっと走るから、首に手、回してくれる?」

おずおずと回されたのを確認して、私は彼女を姫抱きをした瞬間。何時落ちて来るかもと言う不安から、私は勢いよく走り出した。階段を半ば飛び降りるように駆け下りて、アッという間に次の扉へと辿りつく。(どうやらあれ以外は危険な物はなかったらしい。)本当に厄介なところに来てしまったようだ。息を整えながらそう思い、イヴを静かに地面に下ろした。


夾竹桃の枝を一本 


扉を開けると、そこはラスボスの部屋でした。

「うそ・・・。」

目の前いっぱいに広がったのは、青い、大きな像。一気に絶望感が体中を駆けめぐった気がした。

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