かぼちゃの彼とは似ても似つかぬ 10月31日、とある喫茶店で仲良く談笑している2人。 それを見た瞬間から私はというと、なんだか勝手に嬉しくなってくる。 そして。 「ギャリ―、イヴ、ハッピーハロウィン!!」 と言ってその場所へと乗り込んだ。 「あら、シルフィン遅かったじゃない。」 「いやいや、実は私が一番乗りですけど。」 「え、そうだったの?」 「うん、そうそう。」 約束の時間よりも早く着きすぎたから隣の本屋で時間潰してただけ。と言えば少し呆れられながら、ギャリ―に苦笑される。 その点イヴは「そうだんたんだ。」と言って小さく頷いている。本当にイヴは可愛いな、もう。 イヴって本当に可愛い。と呟いて、頭を撫でれば嬉しそうな顔が見える。・・・本当に可愛いよなこの子。 「でも、シルフィンも可愛い恰好、してる。」 「確かに・・・イヴの言ったとおりだわね。服装がいつも見るより力入ってるし・・・。」 そんな言葉を聴きながら、椅子を引いて座る。 すると、あらやだ!化粧までしちゃって、ホントにシルフィンどうしちゃったの!?と驚かれる始末。(私だってやれば出来る子なんですー。) 「だって今日はハロウィーンじゃん。服装とかにも気合入るに決まってるでしょ。」 「・・・え、それだけ?」 「うんそれだけ。」 そう言って答えれば複雑そうに見てくるギャリ―と、「ハロウィーン、好きなの?」とたずねてくるイヴ。 「大好きだよー。もともと妖怪とかおばけ大好きだし。あとカボチャのランプとか可愛いのこの頃よく売ってるし。」 「うん。ハロウィーンの商品、可愛いのたくさんあるよね。」 「そうそう、あとお菓子と悪戯のやり取りとか大好きで!!やるにせよ、やらないにせよ、今日は何だか心が踊るんだよねー!!」 そう言って、私はギャリ―とイヴに鞄から取り出したお菓子を手渡した。・・・うん、こうやって配り歩くのも楽しいから好きだな。 そんな事を思っていたのだけれど、目の前に座るギャリ―さんは何だか複雑そうな顔をして、お菓子を見ている。・・・なんだ、そのお菓子は嫌いなのか。 じゃあ、他の渡せばよかったな。なんて思っていると、ぽつりとギャリ―が呟いた。 「おばけ・・・ねぇ。」 「ん、あれ。ギャリ―はこういうの嫌いだった?」 「いえね・・・そう言うわけじゃないのよ。」 「・・・ギャリ―?」 心配そうに見つめるイヴと、ギャリ―の言った言葉に含まれた意味が分かっていない私。 そしてそんな私たちを見て、言いづらそうに辺りを彷徨うように動くギャリ―の目。 その状態から少し経ったとき、ギャリ―は観念したようで一回ぎゅっと目を瞑ってから、口を開いた。 「だって・・・。」 「「だって?」」 「だって、シルフィンの話聞いてたら・・・あの美術館に出てきたのも一応、おばけってカテゴリに入るんじゃないかって・・・思えてきっちゃって・・・。」 かぼちゃの彼とは似ても似つかぬ それを聞いてしまったイヴと私は、固まってしまった。しかも引きつった顔して。 (・・・・・・。) (ギャリ―・・・それ、言っちゃいますか・・・。) (あ、アタシだって言いたくなかったわよ!!でもアンタがあんなこと言うから・・・!) (責任転換良くない。よーし、イヴ。ギャリ―のお茶とお菓子が来たら、ギャリ―の分のお菓子、一緒に食べちゃおうか。) (うん、分かった。) (はぁ!?ちょっとシルフィン!それはいくらなんでも・・・ってイヴ、アンタもそこで頷かないでちょうだい!!) (おっ、ちょうど来たみたいだよ。では早速、いただきまーす) (いただきます。) (・・・アンタたち、何でアタシのお皿にフォークを向けてるの?え、本気なの!?) back |