*これがないと



 何だか最近、兄貴がねちっこくなった気がする。いや、以前から大分ねちっこかったのだが。

「……今日も腰が痛いんだけど」

 今日が休みで良かった。今日は腰だけでなく内腿も痛いから。

「あ?んなの俺のせいじゃねえだろ」

 眼も合わせず言う兄貴。

 一昨日、オレは素股、と言うモノを初体験した。アレは凄い。挿入れられていないのに挿入れられているような気になるし、焦らされすぎて自ら求めてしまう。懇願してしまう。

 昨日は一昨日のよりもねちっこくて。さすがに恥ずかしくなってしまう。

「兄貴がねちねちしてっからだろっ」

 兄貴は意地が悪い。絶対自分がねちっこい事を自覚しているのに。

「お前がもっともっとって言うからだろうが、糞餓鬼ぃ」

 その言葉に思わず赤面してしまう。仕方ないだろう。あんなに焦らされ続けたら誰でもああなる。……きっと。

「可哀相になあ。今日は親父帰ってくるからヤれねえぞ?」

 ニヤつきながら言う兄貴。下品な笑みのはずなのに、何故こんなにも格好良いんだ。反則だろ。

「別に、我慢出来るしぃ。我慢出来ないのは、兄貴じゃないの?」

 ぷいっ、と顔を背けそう言う。オレって馬鹿。兄貴が我慢出来なくなる所なんて想像出来ないし。

「じゃあお前、禁欲…してみっか?」

 親父が家にいる時はホテル行ったり、お風呂でヤったりしていた。でも、兄貴は禁欲、と言った。

「……え?」

「だって我慢出来るんだろ?」

 今までこんな事を言われた事はなかった。親父が家に居ても、出来そうな場所見つけてヤってたんだ。どんなに忙しくても3日に1度はしていたんだ。なのに、禁欲?そんなの出来るはずがない。

「……オレぇ、我慢なんて出来ないわ」

 正直にそう言う。だって、やっぱり。

「…オレ、兄貴の……」

「俺の、何?早く言えよ糞ビッチ」


「兄貴のこれがないと……生きていけない」

 兄貴の逸物に触れ、そう言うオレは。きっと兄貴の言うように糞ビッチなんだ。



[ 6/7 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]


戻る




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -