スミレ



てくてく てくてく
ひとりで歩いてきた道に
ひょっこり現れた一匹のウサギ

僕のペースを乱すから
どこを歩いているのか
どこへ向かえばいいのか
わからなくなっちゃったじゃないか

ぴょんぴょんぴょん
ねえねえ あっちに行こう
キレイなお花が咲いてるんだよ
一緒にみに行こうよ

仕方なく一緒に歩いていったら
可愛い紫色のちいさなスミレの花が
僕のほうを向いて
にっこり笑いかけていたんだ

なんだかはっとして隣のウサギを見たら
彼女も笑っていて
もう一度スミレの花を見たら
自然と僕も笑顔になっていた

なんだこんな道もあったのか
僕とウサギとスミレの花
へんてこな組み合わせなのに
不思議と心が安らいでゆく

ぴょんぴょんぴょん
私不思議な気分なの
あなたといるととっても気持ちいいわ
ねえこの先も一緒に歩いてゆこうよ

ウサギさん
僕もそれがいいと思っていたんだ
これからよろしくね

ぴょんぴょん
ありがとう

さあ手をつないで
ゆっくりゆっくり歩きだそう



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