一瞬の心の動きを残そう

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04.17 20:31 / たね遊歩 hp e

空耳のうた


はんなりと
空耳を逸らして
待っていた

冬の舌をたらした
あの吹き溜まりの丘
風がまっ白な
毛並みをうちつけている
明雲を

あをい常念が跳んだ

らんらんと
次元は神髄をかもし
きらめきを恋う
耳のふもと
うるおう尻尾をくゆらせる

まるで
湧きあがるうさぎだな

よろこび、
のような毛玉が
やわらかに野末を匂わせる
みどりの光媒をよぎり
駆けぬける早熟


四股に響いてくるぜ

風が遠くを誘う
空耳のうた
この踊れる抽象こそ
おれに歩みをもたらせる


ももいろが
あまく散りまう

まるい女の線のような
花弁の情感は
上目づかいに満ちて

たいようの唇は
そっと頬をよせ

そんな
こそばゆい
耳たぶの裏を嗅ぐ

おれというけものが
疾走った


うさぎのいる方角
メルヘンのうつろで
あをぐ恍惚





04.15 13:50 / りく hp e

夜を食み如実に映る君の姿
我が身繕うせめてもの逢瀬



04.14 20:42 / でみたす hp e

舞い散る桜 夜の闇
春の妖しに紛れて…
辛辣な過去を洗い出す
貴方の消えぬ傷

詳細は知り得ない
時間に掻き消されてしまった…いつか
何も無かったような その振る舞いが
私をいっそう 不安にさせる

でも私の目の前の貴方は
今この瞬間確かに存在してる
揺るがないこの事実があれば



04.14 02:20 / 汐峪ゆう hp e

睡眠過多で燻んだ眼窩に、生温い涙が滲む。
嗚呼、 またもや頭痛が酷くなるじゃないか。
私という人間なんぞの脳細胞では到底処理しきれない衝撃的現実が次から次へと押し寄せて来るのだから、心身機能もイカレてしまうよ。
明日になれば解決するさ!なんて根拠も無く断言できたら、どれだけ楽だろうね。
簡単な人生を捏ねくり回して、ややこしく小難しい哲学 に仕立て上げるなんて、朝飯前だもの。
もっと上手に生きられたらいいのに、もっと器用に立ち 振る舞えたらいいのに、そんなことを望みながら悩み続けるのさ。
こうして年老いて逝くのさ。
自分の人生を好きだなんて言えやしないけど、だからと言って嫌いな訳でもないんだ。
本当は、ね。



04.13 05:17 / 玖妙夢堂 hp e

 
『足掻〜displacement〜』

越えられない音波の向こう
もう迎えの馬車が来る時刻
其の先に在る場面は見ない
否、見えない、見たくない

言葉を想いに準える謎掛け
非力なままに繰り返し乍ら
運命とやらを呪いたくなる

触れられない体温の向こう
もう互いの表情も霞む夜更
月の鏡に映る渋面は隠して
否、隠せない、隠すべきで

言葉を堪えて並べる謎掛け
自失なままに置き換え乍ら
指折りかぞえ待てなくなる
 






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