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え、いや、ちょっとマジですか?
もしかして、俺をここに連れてきておいて、帰し方を知らない……と?
「ちょっとレイさん。色々聞きたいことがありますが、一つだけよろしいでしょうか」
「……えー、あー……うん」
「俺はどうやったら帰れるんでしょうか?」
「……」
言いずらそうに眉を寄せるレイに、促すように視線を強める。そうすると申し訳なさそうに口を開いた。
「……あのね」
聞いた内容に、唖然とした。普通にショック。
目の前のチャラ男に文句を言いたいけど、開閉するだけで俺の口からは何も出てこない。
「……ごめん」
肩を落として俺に殴られるのを待っているのかレイは少し俯いた。その様子に、何とも言えずにため息をつく。
――仕方ない。
本当は仕方ないなんてことは全くもってないんだけど、誤魔化すように心の中で呟いてレイにされたようにその金色を撫でる。
そうすると恐々とした様子で俺を見てきた。
「――……殴らないのぉ?」
「殴っても戻れないんだろ。やるだけ無意味」
「……そう」
なんかもうさ、諦めだよな。コイツに怒ろうが何しようが戻れないものは戻れない。
だったら希望にかけて、そのお城の魔術師さんとやらに会った方が早い。
「……とりあえず、嘘偽りなく知ってること全部吐きやがれ」
「……はい」
そして俺が眠いと言いだすまで、無駄に張り切ったレイによる反省会及び説明会が行わた。