the morning star

「やぁんなっちゃうなー……」

 騒がしいのは嫌い。馴れ馴れしいのも嫌い。でも、一番嫌なのは。

「なぁなぁ隆司!」
「あ?うぜぇ」
「と、友達にそういう事言ったらいけないんだぞ!あ、照れてるんだな!しょうがないから許してやる!」

 二週間前に来た転校生。何故かわからないけど、副会長の千田を皮切りに書記と補佐二人に風紀委員長が、この転校生に惚れた。
 学園はぐちゃくちゃ、風紀は乱れて問題ばかり。処理する人員がいないから、巡り巡って生徒会で仕事をしている会計の俺と、会長の崎が片付けるしかなくなった。
 処理する仕事が多くなった分、時間が取られる。だから、こんなKYに関わってる暇なんかないのに。

 なんで、最近は近寄りもしない生徒会室に連れてきたのかな、副会長達は。
 会長の邪魔しかしないのなら、今すぐに帰って欲しいのだけど。

「奈央、こちらにお菓子がありますよ」
「……たべ、る」
「「なおなお、おいでー」」

 にこやかに笑う副会長達が転校生を呼ぶ。すると、彼は「おう!」と一声応えてから副会長達のいるソファーへと走った。居座る気満々。どうしよう。
 ちらりと、不機嫌そうにする会長を見ると、その形の良い唇を小さく動かして声に出さず言葉を紡ぐ。応えるように、ペンの先で机を叩いた。


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