2

 今、僕等がいるのは生徒会会長親衛隊の本部――空き教室を利用――。場所は毎回変わるんだけど、犬井は会議というお茶会に顔を出す。
 どこで聞いてくるのかは不明。ちなみにクラスも知らない。僕が彼について知ってるのは、名前と僕を先輩と呼ぶことから後輩であるということ。写真を撮るのが趣味だけど、写真部には制限があるから入っていないということだけだ。

「せーんぱい!ね?」
「ね?じゃないよ。犬井がやっても可愛くない」
「うん、にゃんこ先輩が可愛い」
「あー……うん。もうそれでいいよ。僕が可愛いのは否定できないし」
「隊長はお可愛らしいですから」
「きっと猫耳もお似合いですよー?」

 僕と犬井の会話に、盾にしてた子と副隊長が微妙な形で口を出してきた。
 むぅ、と思わず眉を寄せてしまう。

「何、君たちはこの子の味方するの?」
「ち、違います!ただ隊長の猫耳を拝見したいだけですぅ!」
「猫耳隊長、写メりたい。観念しなよー」
「ダメです!にゃんこ先輩の写真は俺が撮るんです!あ、にゃんこ先輩。今の顔、可愛いですー」

 ぱしゃり。会話の合間に光が走った。その後にはジーと言う独特の音。

「にゃんこ先輩のむくれ顔ー」
「……もう、勝手にして」

 ひらひらと出てきた写真に、満足そうに笑う犬井にため息をつく。

「はい、勝手に撮ります!だからにゃんこ先輩」
「でも猫耳は嫌」
「……うぅう……」


(犬井、どんまい)(僕達も応援するから)(何話してるの?)((何でもないです!))

end

[←前へ 戻る 次へ→]


×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -