「どうしてこうなった……」

「コレはどういう事か説明をしてもらおう。納得のいくものでなければ、……テメェ等全員、○○○切って○○させてから○○○○にして、最後にコンクリ詰めにしてからプールに投げ込むぞ」


 ――約二週間前。
 夏休みを終えた次の週に転校生がきた。ソイツは真っ黒な鬘を被り、分厚い眼鏡をかけていていかにもオタク、という風体だった。しかしソイツは、生徒会から不良やらなんやら学園の人気ランキングに入る奴のほとんどを虜にしていったのだ。
 学園恋愛をするのは自由だ。個人で勝手にやってればいい。そんな風に思って風紀の仕事にかかりきりになっていた俺に届けられたのは、何十、何百の手紙だった。内容は一貫していて、転校生と今の生徒会などについて。
 最初は親衛隊の嫉妬からくるものかと思っていたが、調べてみると親衛隊に所属していない一般生からも来ていた。そこまで悪化していたらしい。
 聞いてみると、唯一、転校生に惚れていない俺に望みを託したそうだ。
 そんなわけで、風紀委員長である俺は生徒会室に乗り込んだ。


「……まっちゃん顔こわーい」
「す、少し落ち着け。な?」

 ぶるりと体を震わせ顔を青ざめさせた阿呆と馬鹿と変態の集団に、にこりと笑う。途端に、ひっと短い悲鳴がどこからか聞こえた。
 なんだコイツ等、どいつもこいつも口開かねぇでやんの。イライラとする。

「俺は説明を求めているんだ。早くしろ」
「かいちょうたちー、はやめに言わないといいちょさんの血管がばくはつっていうか、かいちょーたちにあしたが無いっていうか?」
「今日の夜も無い。月が見れると思うなよ?」

 有言実行なのは一部を覗き、全員知っていること。まぁその一部は不良に羽交い締めにされて、口塞がれてるけど。馬鹿の集まりにしちゃあ、いい判断だ。ソイツが一言でも言葉を発したら、屋上から蹴落としてやったのに。

「いいんちょさん、めっさあくにんづらしてんよー」
「生まれつきだ」
「あっは!うまれつきとか、かわいそー」
「うるせぇ」
「まぁまぁ、おれがおよめさんにしたげるからー」
「オマエは頭が可哀想だな、副委員長」

 時折口を挟んでくる緩い口調に、張り詰めた空気が少し緩くなる。しかし、俺以上に頭に来ているであろう奴が、コイツだ。
 聞くに、「えー?だっていいんちょさんとふたりきりでいるじかんをあんなアホにしょーひされてるとかマジむかつくんですー!切ってカマにしてやろーか……」だそうだ。

「ほんきなのにー」
「そうか。勝手に言ってろ」
「ええー?おれじゃなくていいんちょさんがあんあん言ってるのききたい。いいんちょさんのあなにぶちこみたいです。あ、でもさいしょはやさしくするよ?ちゃんとなめてゆびでならしてあげる。とろけてきたらおれのちんこをつっこんで、きもちいーとこいっぱいついてあげるね。やっぱりさいしょはバックのほうがいいかな?せいじょーいがいい?おれのかお見たい?おれはみたいな。おれのでイくかおみたいし。きっとエロいんだろーなぁ。考えただけでたった。ちょっとさわってみてほら」
「くたばれ変態」

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