3

 そんないらないお世話のおかげで会長は生徒会室で、新人の役員さんを引きいて頑張ってる。風紀委員長はどうやら、委員長の親衛隊隊長が手伝いを頑張っているみたいだ。この間小さい体で頑張って委員長さんを風紀室に引きずってたのをたまたま廊下を歩いていたさっちーとむっちゃんが見たらしい。
 その時に、委員長さんはさっちーに気が付いたらしく、さっちーを見て何故か顔を赤くしたそうだ。その日にさっちーが『睦月がやきもちを焼いたらしくてね』と嬉々としたメールが僕等に一斉送信で来た。もう一人、見覚えのあるアドレスがあったけど……さっちー、伯父さんにもむっちゃんの自慢してたの?まぁ、簡単に想像できるけどね。

「んで?いつまで俺は自分の休憩時間をお前らに使わないといけねぇんだ?」
「えー?自分から話し振ってきたくせにー」
「自分から聞かせて下さいって言ったくせにー」
「「失礼だねー」」
「いや、だから俺が聞きたかった話とお前らがノンストップで話してた内容がまるで違うんだが。しかも『聞かせて下さい』なんて言ってねーよ」
「「わっ!」」

 会長は僕等の頭に手をついて、ソファーから立ち上がった。体重がかけたれた事で頭が痛い。むっとし睨むと、つい、と視線を逸らされた。

「……なぁ、一つ聞いていいか?」
「「なぁに?」」
「あいつは、柏原皐月は、『お前らが認めたから代表になれた』のか?」
「「……」」

 会長のクセに変なところで勘がいい。本当の事を言ってみようか?
 どうする?とこーちゃんに視線を向けるとニコリと笑っていた。そうだね、別に隠すことではないか。

「伯父さんが人を集って、僕等が決める」
「僕等が認めなければ、裏の代表の権利も使えないんだよ」
「「だから、前の代表はその権利も使えずに終わらされたんだよ」」

 可哀想に。そう二人で笑うと会長は少し面倒そうに顔を歪めて溜息をついた。

「それなら柏原皐月もお前らの手の平の中か?」
「まさか。そんなわけないよ」
「さっちーはそこまで甘くないもん」
「「むしろ僕等がさっちーの手の中だよ」」

 だって、先に惚れた方がなんとやら。初めて会ったあの日から、僕等は皐月にだけは逆らえないもの。


end

[←前へ 戻る 次へ→]


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -