フトンノナカノアタタカサ

 なんかもう遅刻とかいいやとか、心地好いからもう少し寝てたいとか色々考えたすえに、友達に休む事をメールした。

「……ん、千里くん?」

 ぬくぬくと御門さんの隣で暖まっていれば、隣から小さくうなり声。少し態勢を変えて御門さんへ体を向ければ、眠そうに目を擦る昨日からの同居人。

「おはよーございます」
「……ん、おはよう」

 ぼんやりとしながら挨拶を返してくる彼に、苦笑が浮かぶ。とりあえず、御門さんが起きたならベッドから降りないとだ。
 もぞもぞと動いて起き上がると、ぐい、と服を引っ張られる感覚。そっちを見ればぼんやりとした目で見上げてくる御門さん。

「?」
「もうすこし、ねよう」

 いつもは見れない、子供っぽいふにゃふにゃとした雰囲気。引きずられるままベッドに沈んで、ぎゅうと抱きつかれるままその背中に腕をまわした。腕と体と、ゆっくりと御門さんの足が絡まる。
 身長はやっぱり違うから、自然と御門さんの胸に顔が埋まって御門さんの香が鼻をくすぐった。

「……御門、さん?」

 なんとなく胸がざわざわして、起きてたらと声をかけてみるけど返事は返ってこない。すーすーと穏やかな寝息が聞こえるだけ。
 顔をあげてそれを確認してから、ぐりぐりと御門さんの胸に額を押しつけ息をついた。


end

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