▼ Request of this year
大晦日。優也たちのパパさんにムリを言って、お泊りにしてもらった。
俺の両親は仕事だとかでどっか行ってるしー、これは見逃せないって事で誰もいないし。そんな事を涙ながらに語ってみたら「どうぞ!優也でよかったら何日でも!」って、すぐに許可が出た。
優也たちのパパさんは、楽しい人だった。子ウサギちゃんが何であんなにしっかりものになったのかをかいま見た瞬間だったデス。
「んー、んんー♪」
そして今、後数分で年がかわる。そんな中、急遽用意したコタツの中で優也を後ろから抱き締めながら紅白を観戦。
毎年見てないけど、優也が見たいって言うから。でも、そのせいで優也は俺を見てくれない。画面にくぎづけだ。
時折聞こえてくる鼻歌が可愛いし、エロい感じもするから飛び付きたい。飛び付きたいけど優也の邪魔はできない。
「あ、コレ俊にぃの携帯の歌だー」
着歌の事かな?女性歌手の歌。アルトボイスのラブソング。最近外で良く聞く曲だ。
ちゃんと聞いたことなかったけど、結構いい歌詞。でもただソレだけしか思わない。
胸の中には何も残らない。優也の言葉や行動、表情なんかは全部覚えてるのに。
「ゆきにぃちゃん?」
「ん?なぁに、ゆーや」
舌足らずに呼ばれて顔がにやける。なんかもう総長のことをからかえなくなりそーな感じ。
「もうねむい?ぼーってしてるよ?」
「んー……眠いわけじゃないよー?ちょっとね、考え事してたの」
「考えごと?」
なぁに?なんて上目に見られて、しかも気になる気になる。なんて感じにキラキラと目を輝かせてるからなんかむらむら。
お正月ってアレがあるよね、アレ。姫はじめだっけー?いいよね、年の最後とはじめにゆーやとにゃんにゃんするの☆
あっははー、まぁまだ扱いても咥えてもないんだけど。突っ込んであんあん言わせたいのはやまやまなんだけど、純粋な眼差しを向けられると、へにゃへにゃになっちゃうんだよね。
「ゆきにぃちゃん?」
「んーとね、ゆーやのこと考えてたの」
「う?」
ぼく?なんて首傾げないでよ。ホントに襲っちゃいそーなんだから。
なんて。しないよ。
優也の嫌がることはしない。もー少しだけ成長してから。そしたら優也をちょうだい?
今でも結構限界ギリギリだけど、きっと、今したら意味もわからないままなし崩しになっちゃう。それはダメ。絶対ダメ。俺が優也を好きで、優也も俺を好きって伝えあう行為なんだから。
「ふふー。明日は初詣にいこーね」
「あ、あのね、ぼくね、おみくじ引きたい!」
「うん。大吉だといいねー」
「うん!」
とりあえず、今年の初詣のお願いは『今年も優也とイチャイチャベタベタできるように』かな?
end